マツダ ボーズサウンドシステム【戯言】

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取り上げる対象としては今乗っているマツダ車のボーズサウンドシステムについてですが、車での一般的なメーカーオプション等の純正カーオーディオシステムについて、常日頃感じていることを述べてみました。

仕様

CX-5のボーズサウンドシステムです。2018年登録の車なので、最新のものからは一世代前かもしれません。公式の説明は以下から。

スピーカー

10個のスピーカーが設置されます。
 ① 80mm ミッドハイ【センター】(ダッシュボード奥)
 ② 25mm ツイーター 【L/R】(Aピラー*)
 ③165mm フルレンジ【L/R】(フロントドア下部)
 ④130mm フルレンジ 【L/R】(リアドア下部)
 ⑤ 60mm ミッドハイ【L/R】(Dピラー*)
 ⑥130mm ウーファー【ウーファー】(ラゲッジスペース下部)

* 車を横から見た時の各窓の脇にある柱部分を前からAピラー、Bピラー、…と呼びます。窓が3枚あればA〜Dの4本あることになります。

ミッドハイ
① 80mm ミッドハイ(ダッシュボード奥)
ツイーター
② 25mm ツイーター(Aピラー)
フロントスピーカー
③165mm フルレンジ(フロントドア)
リアスピーカー
④ 130mm フルレンジ (リアドア)
ミッドハイ
⑤ 60mm ミッドハイ (Dピラー 後席肩上)
サブウーファー
⑥ 130mmサブウーファー(ラゲッジ下)

なお車種や型式・年式により異なるかもしれませんので一例です。標準の6スピーカーとの差は、おそらく専用アンプに①センター、⑤Dピラーのミッド/ハイ、⑥サブウーファーです。

となると中高域を担う①と②と⑤の位置がガラス下端辺りの高さにあってキャビンをぐるっと取り囲んでいることから、音場を耳に近い高めの位置に誘導して、さらにサラウンド的な感じを重視というシステムでしょうか。

②のツイーターはシルクドームなので、キンキンしない自然な高音が出ると思います。ただ向いている方向が乗員側よりも真横に近いというのは少し残念です。

アンプ

7EQchデジタルアンプが運転席シート下に設置されています。プラチックのカバーが掛かっていて直接は見えません。ヘッドユニットはマツダコネクト(マツコネ)そのままになります。

機能等

AUDIOPILOT
 マイクで拾った車内音響を元に出力する音響をDSPで調整する。ノイズキャンセリングでは無く、聞こえ難くなった音を補完するような仕組み。①のセンタースピーカーと同じダッシュボード奥にマイクがあるようです。

Centerpoint
 定位の位置を運転席の目の前などに調整することが出来る。

車種によるキャビン形状の違いやシートの材質も考慮したチューニングを実施しているそうです。ちょっと古いですがマツダの技報があります。→LINK

個人的評価

個人的な結論を先に言っておくと、価格から見て妥当と思います。感動するほど良い音ではありませんが、実際に音楽を聴く走行中の車内環境における音としては十分満足できるものではないかと。私が好きな女性ボーカルの高音もイイ感じですよ。

Centerpointはちゃんと効果を発揮して、運転席の正面に定位してくれますね。AUDIOPILOTはONにはしていますがあまり気にしていません。

スピーカー10個にアンプまでつけて8万円ほどなので、一つ一つのユニットが高価なものではないのは言うまでもありませんが、逆にたった8万円で車種毎に専用チューニングされた音場が手に入るなら良いと思います。当該オプションの価値としてはパーツ代よりもシステム代という理解です。

ちなみに私は過去に乗ってきた車は、自分で、店に頼んで、ディーラーオプションで、メーカーオプションで等々で必ずスピーカーを変えています。若くて時間があった頃はドアなどのデッドニングも何度かしていましたが、もう面倒なのでお仕着せで納得しています。でもさすがにカーオーディオ専門ショップに頼んだことは無いです。そこまでお金をかける費用対効果は無いかなと考えているので。

中にはボーズサウンドシステムは付けた上で、スピーカーを良いものに交換という方もいるようです。ただ個人的にはちょっと懐疑的で、システムとして調整された製品のスピーカーの特に一部分だけを変えてしまうと全体のバランス調整も必要になるので、ポン付けでは間違った方向に行くこともあり、その辺りの調整まできちんと出来るショップなどで行うのでなければリスクもあるなと思っています。

なので単純なスピーカーを交換をするつもりならBOSE無しの方が良さそうです。グレードによっては最初からツイーターもセパレートになっているようですので。ただアンプも用意しないとマツコネ直になってしまうのかな。

そもそもカーオーディオは

まず室内に比べて車内の環境は劣悪です。走行に対する機能が優先ですので、スピーカーのセッティング位置の自由度はかなり限られます。音質的には聴く人の前面にスピーカーがあるのが理想ですが、走行中の視界の確保には目の前のガラスエリアは広く取るべきで、そこに邪魔になるものは置くべきではありません。

また一般的に言って車内空間における機能の優先順位としてはオーディオよりもエアコンでしょう。そうすると大抵の車ではスピーカーはドアに着けるしか無くなります。しかもドアの上の方には手がある程度自由に動くための空間確保が必要だし、窓を開けた時に降りたガラスが当たらないような構造的な配慮をすると、必然的に大きなスピーカーはドア下部に追いやられます。

せめてセパレートタイプ*のスピーカーであれば、高音を担うツイーターだけはAピラーやダッシュボード上に配置して、音の来る方向感だけはやや前方からとすることもできます。コアキシャル*の一体型だと高音も下から上がってくるようにはなってしまいますが、ツイーターがあるだけフルレンジよりは良いですね。

* 車用スピーカーの種類
・セパレート:離れた位置に置いた複数のスピーカーユニットで構成されるもの。指向性の高い高音を担うツイーターを耳に近い場所に置けるので音がよりはっきりする。
・コアキシャル:複数のスピーカーをユニットの同軸に重ねたもの。見た目は一つだが前後に重なっている。ツイーター部の向きを少し動かせるものもある。
・フルレンジ:単独のスピーカーで全音域を担うもの。標準のスピーカーに多い。

ドアにエンクロージャーの役割を果たさせるためのデッドニングも、やらないよりはマシですが、そもそもドアはそうすることを想定して作られている部品ではないので、限界もあります。

さらに、ノイズ発生源もエンジン、タイヤからのロードノイズ、風切音、エアコンと幾らでもあります。イヤホンのように音が集まる入り口としての耳を塞ぐものであれば、ノイズキャンセリングで対応もできます。しかし至る所から発生するノイズに対して空間全体にノイズキャンセリングというのは、技術的にはある程度出来そうでもコスト的に困難ですし、だからといって運転者がイヤホンをしていたら道路交通法違反です。もちろん違反かどうかよりも外の音が聴き取れないというのは車の運転において、とても危険なんですが。

エンジン
エンジン (純EVでも無い限り騒音源)
タイヤ
タイヤ(ロードノイズ)
エアコン吹出し口
エアコン(送風音、優先配置)

従って室内の整ったリスニング環境と比べて考えること自体が間違いで、カーオーディオなりの割り切りが必要になると考えています。もちろんそれでもこだわる人達はいるのですが、それをやると当然普通のオプション費用のレベルを軽く超えることになってしまいますね。

一方で独りで高速で走っている時はボリューム上げ放題だったりもして、お気に入りの曲を大きめに鳴らして楽しむこともできるのは利点です。

音質は用途次第

聴く音量の違い

音質は個人の好みも大きいのでなんとも難しいのですが、何が良い音かは何を求めるかに依存して変わります。たとえば、車内では会話にも困らない程度にBGMとして軽く聴くというのであれば、スピーカーを変えたりまでは不要かもしれません。

その理由の一つは、音楽を聴くためのオーディオというものはある程度の音量を出して聴くことが前提に考えられているからです。人間は聴感的*にボリュームを絞ると十分な音が聴き取れなくなりますので、あまりボリュームを上げない使い方が多いのであれば違いに気づきにくく、そこにお金をかける必要性は薄れるでしょう。

* 一般的にはラウドネスを調整することで緩和されますが、どうやらマツコネにはデフォルトで自動調整するオートラウドネスEQが入っているようです。ただあまり勝手に調整はされるのは好ましくないですよね。

これは、市街地ではスポーツカーは十分な力を発揮できないと考えてもらえると分かり易いかと。スポーツカーが十分な力を発揮するのはワインディングで、かつそれなりのスピードを出せる場所ですよね。オーディオ製品もそういう適した条件で使わないと本領を発揮できません。

遠出をするならともかく、近所のコンビニに行くのにサンダルと高級靴の違いはどれほど気になるのかという話と同じです。あるいは街乗りなら軽で十分だよねとか。でも時には多少ボリュームをあげて良さげな音で聴きたいことがあるならグレードアップは意味があると思います。

スピーカーの数

純粋な音質の観点で言えば、ステレオ音源である限りはスピーカーは左右の2chが良いのですが、しかし車内でそれだけに限定してしまうと、後席の人からすれば音源が遠くなってしまいます。この時、後席にもスピーカーがあれば、後席に座っている人の近くで音が鳴って届きますので、失われる音が少なくなり、結果としてその人に取ってはより良い音になります。

従って、単純にスピーカーの数が多いオーディオシステムだから良い音がするに違いないというのも、それらのバランスを取るのが大変なので安直な誤解ですが、数が多ければそれぞれの席の人に音がはっきりと届き易いというメリットも一考の余地があります。

状況としてはお子さんやゲストが後ろに乗った時に、その人達が聴きたい曲を流してあげることを想定してみると良いでしょう。後ろの席に十分な音を届けるためにボリュームを上げたら運転席ではちょっとうるさいとなったら困りますよね。

なので運転席や助手席だけでなく、後ろに乗せる人のことも考慮するかどうかで、スピーカー数が多いオーディオシステムが必要かどうかをみても良さそうです。

音源の質

音質を語る時に音源に気を配っているかも重要です。たとえばBluetooth接続では、スマホとカーナビの対応コーディック次第では十分な音情報を送ることが出来ないこともありますので、そもそも最初から音質は妥協したものにならざるを得ません。最新の高額なイヤホンだと色々な高音質なコーディックに対応してますが、車のナビとか意外と汎用性や安定性を重視して古かったりします。

オーディオシステムに伝わる音源自体の音質が低ければ、スピーカーを替えても違いはよりわずかなものになり、結局その差が分からなかったり、期待した音ではないと思ったりしてしまうかもしれません。ソフトウェアで低ビットレートを補完する機能等も無くはないですが。元の音が十分には良くないのにシステムを通したら劇的に改善するなんてことは無いです。

Bluetooth接続は、設定さえしておけば大抵はエンジンをかけてナビ等が起動すれば接続されるのでとても楽なのですが、音にこだわるならUSBやAUXでの有線接続を一度は試して欲しいですね。

私はWALKMANを有線でAUXに繋いで聴いています。Bluetooth接続よりは明らかに良いですよ。

こだわる人は、スピーカーだけで無くヘッドユニット(≒カーナビ)とかアンプが気になりはじめて、いずれは沼に落ちていきます。ちなみに標準のスピーカーと比べて交換用のスピーカーの磁石が大きいことを示す画像がよくありますが、磁石が大きい場合はアンプ側もそれなりでないと十分には駆動できず、宝の持ち腐れになりますので注意しましょう。

主に何を聴くか

曲のジャンルによってはスピーカーの得て不得手なんてよく言われますが、普通に聴く限りはそこまで極端に変わらないと思います。そうでないと曲のジャンルが決まっている人は良いですが、色々聞きたい人は困っちゃいますよね。

個人的な音質の基準には、音源に入っている音が漏れなく聴くことができることで、こんな音まで入っているのだなと気づかせてくれることがあります。そこからは単なる好みの違いかなと思います。

とは言え、音楽だけというよりもパーソナリティーが話している時間の方が長いラジオとか、個人的には運転中に見ている安全に無関心な人は好きではありませんがTVとか、人の話し声が中心の場合は標準のスピーカーで十分と思います。

自宅のTVに外部スピーカーを付けている人は分かると思うのですが、特にニュース番組などではTVのスピーカーの方がはっきり聞こえたりします。これは人の声の帯域辺りがよく聞こえるように調整されているからで、外部スピーカーを繋ぐと、それ以外の音もはっきりさせてしまうため、結果として最も必要な音が目立たなくなる場合があります。

もちろん、実際に入っている音が沢山響いて来るのは音質的には良いことです。たとえば小川のせせらぎのようなSE音があるシーンは外部スピーカーの価値がはっきりと分かります。結局は何を優先するかなんですよね。

これを言い出すと、先に述べたようにノイズだらけで最悪の環境である車内で音を鳴らすことに、どこまでこだわるかという話に戻ってしまうのですが。

ブランドの誤解

ネットを見ると、ボーズだから良い、ボーズだから駄目という極端な意見も多いですね。なんかスゴそうなイメージ重視の宣伝をするメーカーの話を鵜呑みにして絶対に良いに違いないと信じるのも迂闊ですが、一方でボーズなんてと名前だけで一蹴するのもどうかと感じます。今時の工業製品なので、最良では無いにしても、そこそこの水準は確保されているものですので。

いずれにしてもプラス側もマイナス側も過度な期待を持つものでは無いです。なぜならたかだか8万円程度のオプションだし。車用品ならフロアマットやちょっとした外装パーツだって数万円くらい軽くしますからね。それらも必要な人には必要だし、そうで無い人にはそうでないという当たり前の話なのですが、カタログ価格以上の価値を見いだそうとする人が多いなと思います。

最も車自体がネット民同士のマウント合戦の典型的な土俵なので、それも仕方が無いのかもしれません。

続き

2023年にCX-8に乗り換えましたので、CX-8の車の印象とそのボーズサウンドシステムについてはこちら。