トップガン マーヴェリック【ネタバレ感想】

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初作の『トップガン』を観た方には最高の映画です。エンタテインメントってこうじゃなきゃ。トム・クルーズよ、よくこの映画を作ってくれたと。実際に長い時間を経たからこそ分かる感動があるとおっさんは力説させてもらいます。

4K/Atmosで観たかったのでAppleTVで。2500円は映画館より高いですが、妻と観たので良しとしましょう。劇場の迫力には負けますが、何度も見直せるのが配信の良いところ。ツッコミも沢山させてもらいます。

オープニング

出だしが『トップガン』と全く同じ空母の甲板上のシーンです。F-14 トムキャットではなくF/A-18 スーパーホーネットなだけで、バックに流れる懐かしい曲も同じ。同じ甲板上には当時のコルセアなどに代わって現在のF-35も映りました。

マーヴェリックが整備しているP-51 マスタングとか第二次世界大戦の戦闘機ですが、レストアされているにしてもめっちゃ綺麗ですね。そしてあのNinja(KAWASAKI GPZ900R)で、あの革ジャンで失踪するマーヴェリック。もうリルタイムで『トップガン』を観た人には、これだけでお釣りが出そうなくらいです。

マッハ10を目指すDarkstarとかX-幾つなんでしょうか。やっぱりスクラムジェット推進ですね。そして垂直尾翼にスカンクの絵が! これはあのスカンクワークスが関与しているってこと? とググったら、なんとロッキードマーチンは、この機体の専用ページまで作ってました。さすがアメリカ、往年のメカ好きホイホイです。

警備小屋の屋根が飛び上がる位の風圧なのに仁王立ちして倒れない提督殿もたいしたもんです。通信障害のネタは作品中でもう一回くらい使って欲しかったかな。うーん、最高速度の挑戦中にそこで旋回する必要ある? カッコイイから許しますけど。

マッハ10を越えても挑戦して墜落というのはマーヴェリックの性格表現として良かったですね。ここで映画終わったかと思いましたが。ここは地球だよ、はナイスなウケ狙いです。

トップガンへ

パイロットは必要なくなるとの提督の発言と年老いたマーヴェリックの顔は、その意味する所が同じでイイですね。あと10年先だと、このシナリオは滑稽だったかもしれません。

アイスマンは太平洋艦隊司令官で大将です。あとで出てきますが病気の人が現役の司令官というのはどうなのかと思ったのですが、実際の役者さんが喉頭癌で声が出ないのだそう。これは役者に合わせたのではあれば仕方がない。そして、自分は二位だったという返し。直前にアイスマンとの写真が出ているだけに良いっすよ。

NATO条約に違反したウラン濃縮プラントって設定がいまいちよく不明で、かつ米国がそれをいきなり攻撃するってシチュエーションも、さすがに冷戦時代とは違いますからねぇ。ここはSF映画と実在の軍隊をベースにしているという止むを得ない差があるのですが、映画って事で見逃します。

GPS妨害があるからF/A-18で爆撃という話ですが、さすがに映画にF-35はまだ使わせてもらえなかったのかなと。そもそも同機はドッグファイト向きでは無いそうですし。

さらに周りに民家がある訳でも無い、あんな分かり易そうな山中への攻撃なら、ミサイルを沢山打ち込むのでは本当に駄目なのかとか言ったらここで終わっちゃいますね。

第5世代戦闘機を持っている敵ってそれなりの大国では? しかも米国の敵地にF-14があるとか、ここはアスランでマッコイじいさん(©『エリア88』)でもいるんですかね。ミッキーが手を振ってくれる隠しネタが欲しいくらいw まぁこの時点では、初作の主役戦闘機としてのカメオ出演かと思っていました。

”Air boss”のシンプソン提督は、ハリウッド映画によくいるはじめは敵で後では仲間の役ですね。グースの息子は早くもここで明かされるのか。後で気づくのかと思ってましたが、どうやらグースの死後はマーヴェリックがしばらく面倒を見ていたようです。

今回のヒロインはペニーさん。みんなに奢るは”buy a round”という言い方なのか。主要登場人物がバーの中に集まり出します。それぞれの性格が分かり易く演出されます。

そしてグースの息子のルースターの登場。全員がトップガンの同期ではないと思いますが、トップの方達はなんらかの交流があるのでしょうということで。

あぁピアノは弾くでしょうね。直前に初作を再視聴したので回想シーンがなくても目に浮かびました。ピアノの上でおとなしい子供でした。

”Overboard”は「船外へ」で、バーからつまみ出せってこと。米国式というか海軍式の荒っぽい演出でしたが、そこで分けられた二つの空間で、あの時と同じ曲が歌われて盛り上がるバーの中と、観客だけが分かるマーヴェリックの感情との対比がせつない好演出です。

訓練

他の候補者は昨日に知っていましたが、ルースターはここで気づくとか差が良いですね。そしてペイバックの腕立て200回賭けようはグッドなフラグ立てです。ここからはしばらくはドッグファイトをお楽しみください。

ここはCGではないと解説しているレビューが沢山ありますが、そう言わないといけないほど今のCGは凄くて当たり前なんですよね。まぁそこそこは使っていそうですが。

他の候補生もマーヴェリックとルースターの関係に気づきます。そしてペニーとのヨットのシーン「あなた海軍でしょ」という台詞を使いたいだけのシーンですが面白いので良いとします。

敵の第5世代戦闘機に書かれているマークは黄色い丸に赤い鳥が翼を広げたようなものですが、遠目には白地に赤の丸に見えて日の丸かと思えてしまいます。

訓練の中でマーヴェリックとルースターの対立がさらに強調されていきます。悩むマーヴェリックはアイスマンに会いに行きます。うーん、奥さんどこかで見たことあるような。

アイスマンの助言でビーチフットボール? マーヴェリックがタッチダウンしたら、おっさんはもう辛いので後は若者に任せたという表現が良いです。

今回ペニーをタンデムしているバイクはKAWASAKIのNinja H2 CARBON(360万!)というバイクだそうです。もうバイクの種類は見ても分からなくなってしまいました。家に入ってもドア開けっぱなしとか大人なお誘いです。

ルースターとの確執の話が出ますが、なるほどメグ・ライアンも役上では亡くなっている設定なのですか。逃げて上の窓から降りたマーヴェリックが尻餅をつくのは、ここも年相応の雰囲気を出していて良いと思います。

さて期限を早めることになってまた訓練です。映画を観ている側の頭にもどんなコースを飛ぶことになるかを叩き込みます。コヨーテが高Gにやられて墜落しそうになりますが、射撃管制レーダを当てて警告音で起こしてなんとかなります。

そしたら今度は連続でフェニックスとボブの機がバードストライクでエンジン停止。緊急脱出して幸いにも助かりました。前のグースの事故を思わせるシーンですね。ルースターとの喧嘩で”Don’t think.”とか繰り返されると頭の中で”Feel”とか聞こえてきちゃいますがw

出撃

アイスマンが亡くなって首になるマーヴェリック。シンプソン提督がもう少し簡単になるように戦術を変更しようとしますが、マーヴェリックが勝手に飛んでみせて出来ることを証明してみせます。そして折れるシンプソン。嫌な奴が味方に変わって盛り上がるところです。

そしてマーヴェリックを編隊長として出撃へ。空母のエレベーターに2機のF/A-18が翼を折りたたんだ状態で載ったまま降りてきて、またマーヴェリックを載せて上がっていきます。演出的には超カッコイイですが、人載せるためだけに戦闘機が乗ったエレベーターを上げ下げしないですねw

選ばれたのは、複座機はペイバックとファンボーイ、フェニクスとボブの組み合わせ、そして僚機(Wingman)はルースターです。細かいですが、ここはmanのままなんですね。

映画的にはルースターしかないのですが、ここまでの訓練シーンからすれば自信満々な顔で待っていたハングマンじゃないかと思います。ただこの外された瞬間に、あっ、こいつ後で活躍するシーンがあるなと思いました。

後で話そうとかフラグを立てるマーヴェリック。そして操縦席のマーヴェリックに声をかけるホンドー。 しかしこのおっちゃん何でもやり過ぎでは。飛び立つシーンは当然、初作を彷彿させるカットで構成されます。早期警戒機のE-2も出てきました。

後からトマホークが発射されますが、戦術ディスプレイに表示されるミサイルの進行速度から見ると、これ敵地に近すぎません? これだけ艦隊が近海に揃っていたら敵も攻撃が来ると分かるでしょう。飛び立った瞬間に敵レーダーに映るし。

空母はCVN-71と表示されているのでセオドア・ルーズベルトです。実際に撮影したのもこの艦だったという公式映像が出ていました。トマホークを撃ったのはCG-55 レイテ・ガルフというミサイル巡洋艦の設定で、近くに潜水艦のSSN-21 シーウルフもいることになっています。”20x BGM-109C”の表示はトマホークが20発ですかね。

目標時間は2分30秒でしたが、映像的には一番機が目標に到達するまで4分30秒位やってました。ルースターが遅れたのを気持ちを切り替えて加速しますが、元々限界速度で飛んでいるのに追いつくのかいって。

戦術ディスプレイでトマホークが到達する敵航空基地の座標は、南緯48度52分6秒 西経123度23分6秒と表示されています。これはWikipediaによるとポイント・ネモと呼ばれる海の上の最も陸から離れた地点のようです。ニュージーランドとチリの間、つまり海のど真ん中ですねw 映像的には雪山の中ですが、まぁ下手な国の場所にできないですもんね。

脱出

目標の精密爆撃に成功後、鬼のように撃たれ出したSAM(地対空ミサイル)に対してフレア(熱源探知ミサイルに対する囮)をばらまくのは綺麗ですけど、敵の弾は当たらないってやつで。でもフレアを切らしたルースターをかばってマーヴェリックが撃ち落とされます。当然、犠牲は考慮されていたのですから他の機には帰投命令がでます。

幸いにしてマーヴェリックは脱出に成功していました。しかしこの人は撃墜数だけでなく、脱出して高価な飛行機を駄目にした数でも海軍ナンバーワンなのでは?

そしてヘリに銃撃される所を、やっぱり命令を無視して戻らなかったルースターがヘリを撃墜して命拾い。ただしルースターはフレア切れなので、別のSAMに撃ち落とされました。まぁここも敵もいきなりヘリから撃つより兵士を出して生け捕りにしそうですけど。

ここでハングマンが出るかと思ったんですけどね。堕ちた二人の言い争いで”Don’t think.”と言ったじゃないかはおもろいです。

敵地のど真ん中でどうすんねんと思ったところで、先のトマホークの攻撃で火災が発生している敵の飛行場が見えます。あぁここでF-14か!と、なんとか映画の方から種をバラされる前にやっと気づきました。面白いけど無理筋過ぎる。いや面白いけどw これぞ米国映画www

今のパイロットからしたら旧世代のポンコツですよね。F-14に対するF-4位? だがそれがイイんです。だって『トップガン』なんですから。

回せーっ! って新谷薫の描写な感じで、エンジンスタート。”REMOVE BEFORE FLIGHT”のタグを取ってタキシング。短距離離陸で揚力を稼ぐためにF-14の可変後退翼を展開します。とっても胸熱なシーンですが、さすがに海軍パイロットのルースターが知らないのはあり得ないですかね。

敵の第5世代戦闘機はSu-57のように見えますが、さすがにCGでしょう。しかしこんなの出してくる敵とまともにやり合ったらマジ戦争です。でもまぁ、こういう時に敵に手を振るボケも定番なシーンで楽しいです。

相手の曲芸飛行はSu-57を使わせてもらったリスペクトってことで良いと思います。それでも訓練中に機体よりパイロットが決め手だとのルースターの言葉に”Exactly!”と答えたマーヴェリックはバルカン砲を打ち尽くしてF-14で勝ちます。

で、その後でやってくる追加の敵機にもうなすすべも無く脱出装置も故障。諦めた時に、ここでハングマン登場。敵機を撃ち落として、旅客機のアナウンスをしゃべってふざけながら、美味しいとこを持って行きます。

とはいえここで敵の第5世代機が、敵機であるF/A-18が近づいているのもロックオンされているのも気づかずに撃墜されるってのは手抜き過ぎかなぁ。

考えて見ればどうせ一発秘中の作戦で、アタックを開始したら予備機にもう意味は無いので、ハングマンはF-35に乗り換えて、ここだけ登場させてもカッコ良かったですよね。

帰投

F-14で定番の艦橋を煽る飛行をしてから、前脚が壊れているので空母に胴体着陸。そして飛行甲板員の歓声で迎えられるシーン。初作へのオマージュです。うーんなぜか艦橋からガッツボーズをするベイツ”ウォーロック”提督が柳葉敏郎に見える。

マーヴェリックに命を救ってくれたと声をかけられて、ルースターが「父の代わりです」と答えるのは最高ですね。ここは自分が親の年齢になっているがゆえに凄い感動出来ますよ。言われたトム・クルーズが一瞬軽く目を逸らして、そして噛み締めてから頷く演技がまた良い! もう泣いても良いですか(T^T)

場面は変わってP-51を一緒に弄るマーヴェリックとルースター。親子のようです。そしてペニーがまた古そうなポルシェ911の前で待っています。

二人はP-51に乗って飛び回りまわります。人が操縦する戦闘機というものへのこれもリスペクトでしょうか。そしてメインキャストが紹介されて、夕陽の向こうへ飛んでいく機体に導かれるようにしてエンドロール。最後にもう一度P-51が手前から旋回して、初作の『トップガン』の監督であるトニースコットへの追悼の意で終わります。

ネコナブキ
ネコナブキ

ツッコミはいっぱいしましたが愛ゆえにで超満足です。おっさんとして長く生きていればこそ出来る感動もあるんだよと、偉そうに言って若者にウザがられたいくらい楽しかったです。

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