異世界のんびり農家【漫画レビュー】

転生勇者ものがロールプレイングゲームが元ネタで、悪役令嬢ものは乙女ゲームが元ネタならば、これはシミュレーションゲームが元ネタとなっている作品と言えるでしょう。異世界転生をした主人公は、新たな人生では農業を志して独りで村づくりを始め、様々な種族を住民や客として迎えながら村を大きくしていきます。

書籍情報

漫画:剣康之(キャラ原案:やすも)
原作:内藤騎之介
出版:ドラゴンコミックスエイジ
ジャンル:異世界転生、日常
既刊:10巻
ebookjapanで試し読み

主要登場人物 

街尾火楽 大樹の村の村長、転生者、万能農具使い
ルー   吸血鬼、最初の奥さん、息子アルフレートの母
ティア  天使族、二人目の奥さん、娘ティゼルの母
その他の多様な種族の住民・隣人・客人

レビュー&感想

異世界で沢山の種族が出てくるため、とにもかくにも登場キャラクターが多いです。話中で姿が描かれずに名前だけが出てくると、えーと誰だったっけ?と読み返さないといけないほどです。既刊の9巻までに登場した交流のある種族と役割を列挙してみると、

 ・インフェルノウルフ(警備:クロ、ユキ、子供達が多数)
 ・デーモンスパイダー(洋裁、警備:ザブトン、マクラ、子供達が多数)
 ・吸血鬼(ルー、フローラ(ルーの従妹)、始祖様)
 ・天使族(ティア(天使族最強)、上空警備:グランマリア、クーデル、コローネ、…)
 ・ハイエルフ(狩り、建築、鍛冶:リア、リゼ、ラファ、…)
 ・スライム(下水処理)
 ・蜂(蜂蜜作り)
 ・鬼神族(メイド:アン、…)
 ・リザードマン(警備、力仕事:ダガ、ナーフ、…)
 ・魔族(ビーゼル、フラウレム(ビーセルの娘/代官)、魔王、貴族の娘達(事務、文官)、….)
 ・竜(ドライム、グラッファルーン、ラスティスムーン、ハクレン、….)
 ・獣人族(ハウリン村の住人:ガルフ、セナ(移住者代表)、子供達、…)
 ・ドワーフ(酒造り:ドノバン、…)
 ・人間(取引先:マイケル(商会の会頭)、…)
 ・悪魔族(執事、元竜族の使用人、背中に羽がある:ブルガ、スティファノ)
 ・ラミア(ダンジョンの住人、運搬、ワイン造り支援:ジュネア、…)
 ・山エルフ(焼き物、機械作り:ヤー、…)
 ・ミノタウロス(二の村の住人、養蚕:ゴードン、ロナーナ、…)
 ・ケンタウロス(三の村の住人、輸送・連絡:グルーワルド、…)
 ・ニュニュダフネ(警報、夜の明かり:イグ、…)
 ・ハーピー族(上空警護支援)
 ・巨人族(北のダンジョンの住人)

のようになっています。それぞれの詳細を知りたい方はWikipediaでかなり詳細にまとめられていますので、そちらをどうぞ。

異世界で色々な種族が出てきて活躍するのは『転生したらスライムだった件』が有名ですが、あちらがシリアス系でバトル中心なら、こちらは日常系で和気あいあいという違いでしょうか。

とにかく最初は、転生時に神様からもらった「健康な肉体」と「万能農具」という農業に関することならあらゆる道具に変化して超高効率で出来てしまうツールを使って畑作りから始めます。なんと念じて土を耕せば種も不要というチートな道具です。

その後は、当初は犬と勘違いしていたインフェルノウルフをはじめ、様々な生き物や人系の種族と出会っていきますが、それらはいずれも超が付くほどのレベルの高い方々で、さらにそれがまたとんでもない人達を呼び寄せることになります。

この辺は設定に無理があるというよりも、そういう軽いお話なのでという前提がある感じがするので受け入れ易いですね。

シミュレーションゲーム的であるというのは、村の中心を決めてから、畑を作って、家を作って、用水路を引いて、そしてそれらを大きくしてというように村づくりが行われてという形でストーリーが進んでいくからです。

新しい種族と出会って住民として迎えれば住居が必要。住民の腹を満たすためと美味しいお酒のためには畑の拡張が必要などですね。その都度ちゃんと地図や間取り図が示されて、いかにも設計して作る感があるのが良いです。

時には村内でのイベントが起こり、武闘会、お祭り、温泉調査、競馬のようなレース等々で、各種族の特徴を上手く表現しつつ、みんなで仲良くやれて幸せな感じに描かれれます。

そうしたイベントの前には企画会議、後には反省会などがあったりして、村を適切に維持・運営するという形でお話が進んでいくのも、いかにもシミュレーションゲームのようで面白いです。

戦闘シーンもあるのですが、それらを細かく描写することはせずに、あっと言う間に終わらせて、ページや時間を無駄に消費しないのも分かり易くて良い作りと思います。

村長の深刻なお悩みは、交配可能な種族における男性の不足で、ハーレム状態で産まれるのは自分の子供ばかりということでしょうか。これは他に適齢期の男性が(あえて)登場せず、各種族の再興を望む女性達の側から狙われて致し方なくという状況からですが、転生時に「健康な肉体」を授かっていても毎日のおつとめが続くと辛いようです。

びっくりなのは、現在はコミカライズで既刊9巻ですが「小説家になろう」にある原作では、まだお話全体の1/5位だったりします。しかも原作の連載は継続しているので、正直どこまでついて行けるか気になりますが、是非長く続けて欲しいと思います。

おすすめ!

ロールプレイングゲームよりもシミュレーションゲームが好きな方に。
異世界でスローライフといいつも少し賑やかな方が楽しそうかなと思う方にも。

最新刊

最新刊の10巻では、地下の黒い大岩に神の像と神殿を作ったら正七角形の形になるように他にもあったので、同じように処理したら結果として魔神を救済してしまいましたという、いつものスローライフで世界を救うパターンです。転生してお仲間にというのは直前のウルザと同じパターンなような?

同時期に発売された2023年1月の新刊はこちら

参照作品

転生したらスライムだった件 (Amazon)