おじさまと猫【漫画レビュー】

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元ピアニストのおじさまがペットショップでまんまるな猫を求めるシーンから始まります。猫を飼うことは亡くなった妻の願いでした。初めて猫を飼うおじさまと寂しがり屋の猫、そして音楽や猫を通じた周りの優しい方々との心暖まる物語です。

書籍情報

漫画:桜井海
出版:ガンガンコミックスpixiv
ジャンル:猫、日常、家族
既刊:12巻
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主要登場人物/猫 

神田 冬樹 元一流ピアニスト、現ピアノ講師
ふくまる  神田の飼い猫、エキゾチックショートヘア

レビュー&感想

最初の2巻分くらいは猫好きあるあるで、慣れないおじさまが猫の世話に悪戦苦闘するお話です。神田の元に来た猫のふくまるは、猫漫画にしては珍しく、どちらかと言えばブサイクな猫として表現されています。実際のエキゾチックショートヘアも鼻が潰れたブサカワという感じの猫ですね。

ふくまるは寂しがり屋なので、よく泣きます。「鳴く」ではなく「泣く」です。顔をぐしゃぐしゃにして涙を流して泣いているように描写されているので、かなり表情豊かな猫と言って良いでしょう。

一方で飼い主となった神田はかなりのイケメン、ナイスミドルですが、ふくまるに対しての心配事があったりすると、顔面蒼白となって慌てまくります。そんな風にお互いをとても大切に思っているのが良いですね。

最初はツイッターで載せていた漫画だそうなのですが、3巻頃からは雑誌連載になって長いエピソードが作られるようになり、神田の過去の話を掘り下げていきます。

神田は一流のピアニストでしたが、妻を亡くしてからはステージに立てなくなっていて、ホールで席に座って聴いていることさえできなくなっていました。なので今は街のピアノ教室で子供達を相手にピアノを教えています。

そんな状況に、神田を気にかける日比野やジョフロワなど他の現役ピアニスト達が絡んでくるのですが、皆さんなぜか猫を飼う羽目になってしまいます。猫を愛でるおじさん集団のできあがりです。

うちの猫が一番可愛いと親馬鹿を競っているのも猫好きあるあるですが、それをしているのが一線級のイケメンなピアニスト達な訳で、そんなおじさん達が猫を前にふにゃふにゃになっているのを見てまた癒やされます。ギャップ萌えというやつですかね。

私自身は残念ながらイケメンではありませんが、猫と暮らしていたこともありますし、可愛いもの好きなおじさんの一人としても本作品に共感できるシーンは本当に沢山あったりします。

さらにサブキャラとしての神田の古くからの友人の小林、そしてペットショップの佐藤さんも良い味付けです。

小林は熱血おっさんとして常に神田を心配し、そして後押しし、そのウザいコミュニケーション力で他のピアニストと神田を上手く繋いで行きます。

また、ふくまるが売られていたペットショップの店員さんである佐藤さんは、髪を下ろしたらめっちゃ可愛い獣医を目指す学生さんで、おじさん集団の中の紅一点の清涼剤として猫の生態を分かっていないおじさん達をしっかりと支えています。

5巻くらいからは、おじさんピアニスト達のてんやわんやから、神田と同じ音楽教室の講師でバンドをやっている森山の挫折と新たなバンドメンバー獲得がもう一つの流れになって来ています。

そこにはもう巣立っている神田の娘や息子も絡んできて、妻を亡くして心にぽっかり穴が開いていた彼と彼の家族の立ち直りも描かれていて、いい話だなぁと思いますね。

それぞれのおじさん達も、ピアニストとしては成功しつつも自ら閉じてしまっていた新しい世界への扉を開こうする清々しさが描かれたりしていて、これがまた良いです。

扉絵や巻末などでは登場人物が全員二等身で描かれるカラーイラストがあって、もちろん猫たちは元のままでみんなで同じようにまんまるキャラなのですが、そのどれもが幸せそうなカットでとてもほっこり出来ますよ。

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猫とおじさまの組み合わせに癒やされてみたい方に
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