焼いてるふたり【漫画レビュー】

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「元気が無い時には肉を食べる」や「肉は正義」とまで言い切り、肉を愛でたりスマホの待ち受けにしたりまでする肉好き&野外料理好きの健太が、見た目はクールビューティだけど実はズボラという妻の千尋と一緒に夫婦でBBQをして、胃袋を捕まえてくやしがらせるという漫画を紹介します。

書籍情報

漫画:ハナツカシオリ
出版:講談社
ジャンル:グルメ、夫婦
既刊:13巻
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主要登場人物 

福山 健太 夫、BBQ眼鏡、エンジニア
福山 千尋 妻、クールビューティ、デザイナー

レビュー&感想

千尋は仕事はできるけれど、無趣味で帰って寝るだけの生活で、料理は苦手だしめんどくさいという女性として設定されています。一方の健太はエンジニアで仕事をサボるでは無いにしてもガツガツはやらない、でも週末のBBQは大好きで積極的に動くというキャラです。仕事をする女性を優しく支える草食系男子って設定でしょうか。

第1話だけで、婚活で初めて会う相手と焼肉屋に行って意気投合、でも片方の転勤が生じてフェードアウトしそうになったのでいきなり結婚したという駆け足の状況設定がありますが、これだけなら許容だと思います。二人の関係について千尋よりも健太の方がちょっとうじうじしているのも、男女を逆にすればそんな話も多いのでありかなと。

ただその後になってから、当人同士の合意で結婚している二人がまともなデートもしたこと無いとか(いや何度も会っていそうな描写ありましたよね?)、3巻にまでなってからキスやその先の話とか、ファンタジー過ぎて後からやった感が酷く、ここはちょっと中学生の考えた結婚みたいな話でついて行けないです。連載も続きそうだからそこも描きたいと、やってしまったように見えます。

こういう結婚も良いなと思っている女性が実際にいるのかは知りませんが、自分の子供だったら無責任すぎてちょっと考え直せと怒るレベルです。式をしないのは別に良いとしても、入籍を急ぐような妥当な理由も語られていないので。これなら夫婦という形に拘らずに結婚前提の恋人でも良かったですし、夫婦という設定にしたのなら今更そんなこと描く必要ある?という錯誤感が不味すぎました。

その一方で、主題であるBBQを始めとした料理についてはそれなりにちゃんと描いているだけに、とてももったいない作品ですね。ここの違和感で見放してしまった読者は少なくないと思います。

この辺りを乗り越えた後は、キャラクターも増えてBBQを始めとした色々な野外料理にもちゃんと触れているし、妻の千尋も可愛くて、夫婦でイチャイチャがあってもそこに違和感はないので、グルメ漫画としてもうまく進められていると思います。

この手の漫画の本質として外せない、好きな人とふたりでおいしいものを食べるって凄くいいな、というシーンなどは上手く描けていますし、日常系漫画としてのほんわかさも悪くないです。

サブキャラ達の恋愛話も盛り上がってきたりで良い感じですが、他のレビューでも触れましたが、あまり色恋沙汰に話を持って行くと軸がブレて転けるので、そこは注意して欲しいかなと思います。

おすすめ!

野外で食べることが好きで「肉は正義」に賛同できる方や
おいしいご飯で支えてくれる恋人・配偶者は何物にも代えがたいと思う方に。

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