漫画研究部(実態はコスプレ部)でコスプレを楽しむ仲間達の漫画です。男は部長の奥村が一人だけで、後はみんな可愛い女の子達ばかりというお約束のハーレム状態ですが、その奥村は下手に女の子に媚びずにオタクに振りきっている感があり、そして女の子達も揃って十分以上にオタクなのでバランスが取れているように思います。コスプレを題材にしての仲間との友情や、それぞれのメンバの葛藤や成長も十分に描写されていて部活漫画としても楽しめます。
レビュー&感想
最初は主人公(?)の奥村一人になってしまった漫画研究部に、新入部員としてリリサがやって来ます。奥村と同じ重度のリリエル(劇中作品のアシュフォード戦記のキャラ)オタクであり、エロコスプレの写真を撮りたいと考えていました。
嫁は2次元で良いと考えている奥村でしたが、大好きなリリエルのしかもかなりエロいコスプレにやられてしまい、一緒にコスプレ活動に邁進していくというH系ラブコメテイストではじまりますが、そのうちに次々と新しい女の子が登場し、無自覚ハーレム型ベースの部活漫画になっていきます。
このあたりは同じコスプレを題材としている『その着せ替え人形は恋をする』とはちょっと方向が違いますが、甲乙つけがたいどちらも面白い作品です。
最初は、リリサと奥村の幼なじみで美少女モデルの美花莉との間での三角関係ラブコメな感じでしたが、3巻で元コスプレ四天王のまゆらこと羽生先生が仲間になり、ここから部活動路線にチェンジします。
まずは現役プロコスプレイヤーの753と対峙してコスプレバトルのような体験をして、5巻では人付き合い下手の乃愛、6巻では陽キャのギャルのアリアが登場します。ここのアリアの父親との確執を解決する話を含んだ、8巻にかけての夏コミでのリリエル天使空挺隊4人のコスプレでのエピソードは、とても熱くて面白いです。
9巻の夏合宿では、美花莉とアリアが加わっての奥村の取り合いがあった感じですが、その後の生徒会副会長のまり姉との幼少の奥村のトラウマ回収エピソードがあってからは、周りの女の子達は大騒ぎですが、奥村自身は元に戻ってすっかり3次元に興味の薄い大仏に徹していてる感じです。
なお、まり姉はこのエピソードを経て卒業してから、すっかりオタクネタ枠の人になってしまいました。あとお話全体としても、このエピソードの頃からそれをやれる十分なキャラが揃ったのか、随所にオタクネタを散らしてツッコミを入れるという最近の流れが確立されています。
10巻から11巻にかけての学園ものの定番エピソードである文化祭のコスプレ喫茶も楽しいですが、やはりなんと言っても生徒会長の瀧さんが素晴らしいですよね。サイドストーリー的な84話とか最高です。キャラを崩さずに上手く絡める構成は素晴らしいと思います。
11巻後半から13巻にかけての冬コミでの覇権コンテンツでのエピソードも捨てがたいです。盛り上げ方が流石のジャンプ作品なんですよね。753のマジョマジョ完全覚醒衣装とかキターって感じで、細かい裏設定まで含めてホント上手いです。プロの衣装屋さんのサイトウさんも良い役回りでした。
毎回のコスプレを通じて仲間も増えていきますが、まだ予告だけで実際には絡んでいない人もいるので、今後もどのような熱い展開をしてくれるのか楽しみです。
コスプレのベースになるオタク的価値観に共感できる方
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参照作品
こちらもコスプレがテーマの作品でラブコメ型です。