読者モデルをやるほどに可愛いながらエロゲーが好きで登場キャラのコスプレ衣装を作りたい不器用な女の子と、ひな人形が好きでいずれ職人になることを夢見ている手先が器用なぼっちの男の子のコスプレを通じたラブコメ作品です。最初は女の子の肌の露出度が高めで導入されますが、だんだんとコスプレの技術や本質にも触れながら、仲間や友達が増えて行く良質のストーリーになっています。
レビュー&感想
まずタイトルがイイですよね。漫画の主題を表現しているけれど直接では無く比喩になっているのが綺麗で良いです。異世界系の何じゃこりゃタイトルに慣れているとホントそう思います。
男のくせにひな人形が好きというコンプレックスから高校生になっても自分の世界に閉じこもっていた新菜(わかな)の成長と、ガンガン行く行動力がありながら新菜を好きになってからは、そこだけは中々前に進み出せない海夢(まりん)の恋心の行方が、コスプレの楽しみを通して上手く絡み合いながらお話が進みます。
海夢は見た目はギャルですが、エロゲ、アニメについてかなり偏った濃いオタクです。そして周りのコスプレイヤー達もそうなので、時々オタクならではな言動が出てきますが、もちろん真面目な一般人の新菜から見ると意味不明。その都度「新菜には難しかった」のト書きで示されるオタクと一般人のギャップが楽しいです。
最初はぼっちのようにしていた新菜でしたが、海夢のコスプレ衣装を作るようになってからは、彼女の行動力に引きずられ二人合わせて交友関係も広がって行きます。
まずはジュジュこと紗寿叶と心寿の乾姉妹、そしてレイヤー仲間で大学生の女装レイヤーのあまねに、言動がかなりヤバめな涼香を始めとした、ミヤコ、旭の大学生達。そこからは文化祭をきっかけにして距離を感じていた新菜と同級生の友人達へと。
このようにして好きなものは好きで良かったのだと、ある意味ひな人形オタクであった新菜の自己肯定感が育まれていくのが良いです。
周りに女性は増えますが下手にハーレムになったりはせずに、ずっと海夢だけがあばたにえくぼで新菜にベタ惚れです。まだ本人には言えずにいますけれどw この辺りは同系統のコスプレ漫画である『2.5次元の誘惑』とはちょっと違いますね。
ただジュジュだけは最初は新菜の作る衣装に惚れて、裸を見られて、そして本人にも…みたいなシーンもあったのですけど、どうなるでしょう。
あとはよく家で着替えるシーンがあって面倒で出したくなかったのか、新菜の両親は亡くなっていて祖父と暮らしているし、海夢の母親は早くに亡くなっていて父親は単身赴任中という、普段から親がいないという設定がなされています。
お気に入りのサブキャラとしては、やはりコスプレへの欲望に忠実で言動がすっ飛んでいて面白い涼香と、同級生では海夢の友達のツインテの乃羽が可愛いですね。乃羽は素っ気無さそうでいて意外と気遣いがあるし、将来的にも二人の関係を後押ししてくれそうです。
一番のお気に入りは8巻の文化祭本番での生ホスの麗さまコスのエピソードで、同級生達の期待に応えようと頑張る新菜と、周りもみながイイ奴で、めっちゃ盛り上がっているのが大好きです。
コスプレの衣装やメイクテクニックについて色々と知りたい方
元気でノリの良い女の子の秘めた恋心の描写が好きな方にも
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参照作品
こちらもコスプレがテーマの作品で部活型です。