オムニバス形式で男女二人が朝一緒にご飯を食べて終わるエンディングになるように作られているお話です。男女ですから当然そうなって迎える朝の場合もありますし、ただ単に一緒に時間を過ごしただけの場合もあります。いずれにしても朝を迎えて二人一緒に何かを食べる、そのシチュエーション自体に価値があるということを語り続けている漫画です。
漫画:奥山ケニチ
出版:少年画報社 ヤングキングコミックス
ジャンル:ラブコメ
既刊:8巻
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一緒に夜を過ごして朝を迎える男女 友達、同級生、同僚、かつての憧れの人、行きずり、…
レビュー&感想
このページを書き始めてから、この作品には特定の主人公がいないことに気づきました。第一話で登場する宮川&岩本ペア、第二話の堀田&三津目ペアは後からも何度か出てきていて、それぞれ幸せに進んでいますが全体の主人公では無いですね。一夜限りの関係の男女もいれば続く関係もありますが、最近は少し話を広げる必要もあるのか、ステップを踏むのに長くかかっている二人のお話が多いです。
ちなみに3話以上取り上げられて話が継続しているペアは以下のようです。長いペアは過去の話になったりもしていますね。
宮川 & 岩本 5話+おまけ 高校時代の同級生
堀田 & 三津目 4話+おまけ セフレから恋人に
重松 & 満島 7話 バイト仲間
桃川 & 鬼ヶ島 3話 会社の同僚
牛尾 & 旗本 5話+おまけ ヤンキー&真面目メガネ
柳 & 二階堂 4話+おまけ 引きこもり男&ギャル
各話のタイトルはエンディング用のメニューとなっているので、多少無理矢理にでも毎回必ず朝食は食べることになります。そのせいでファストフードでも無いのに朝から開いている店が多いなぁとは思わなくはないですが。
異性との忘れられない思い出でをオムニバス形式で扱う作品では『やれたかも委員会』という思い出をちょっと揶揄するような作品もありますが、この作品はどういう関係に落ち着くにしても、朝食を食べて良い後味にという感じに終わるのが好きです。
なんと言っても夜に二人で一緒の時間を過ごした後の「特別な朝」というイメージには甘酸っぱいものがありますよね。そんな朝と言えば、昔に都内で徹夜仕事をした後に自宅に帰る始発のガラガラの電車の中で、窓からの朝日を浴びながら初々しく恥ずかしげながらも寄り添う学生っぽい二人を見かけて、なんか良いシーンだなと思った記憶があります。
いやその時は私はもう既婚者だったので、あくまでも微笑ましく見てましたよ。こっちは徹夜明けなのにと少しは思いましたがw 読み返してみれば、29話の柳と二階堂のラストシーンにちょっと似てましたでしょうか。
まぁ、そんな感じの良いシーンを如何にラストに表現できるかが、この漫画の肝なのですが、やや冴えない男が積極的な女性とという話が多めになるのは仕方が無いところです。読者の読みたいものを提供する必要があると思いますので。
各話の登場人物は微妙に関連するように構成されていて、会社の同僚繋がりだったり、別の話の主人公がモブキャラとして登場したり等もあります。
目立つ所で言えば、三津目と鬼ヶ島は職場の同僚のようです。20話のハンバーガーショップの砂沢と水戸は40話の柳と二階堂のデート回にちょこっと登場してますね。
あとは39話の干谷と45話の玲奈は、それぞれ別の話の主人公ですが、社食で同席する知人ではあるようなので、いずれ二人が関係したエピソードが描かれるでしょうか。
あらためて数えてみたら既刊8巻の64話で38組(たぶん)の男女が出てきますので、かなりの数の男女の過ごした夜と明けた朝が描かれて来ているのは凄いです。前出のようにまだ話が継続しているペアも幾つかありますし、様々な二人がどんな朝ごはんを食べて笑顔になって行くのか、今後も楽しみです。
二人で迎えた朝に忘れられない思い出がある方に
これから先で誰かと一緒に朝を迎えることを期待する方にも
最新刊
最新刊の8巻では意図的なのかどうなのか、そうなる話が少なかった巻でした。シーンとして2カ所だけで、しかも片方は未遂で少ないです。新しいエピソードの種まきと、ゆっくり進んでいる2組の途中経過という感じで終わっています。漫画のアシスタントさんのエピソードも急がないようでした。
確かに高校生の二人に朝ごはんを一緒に食べさせるのは違和感の無い設定作りが難しい気がします。でも健全な話ばかりだと読者も飽きて離れてしまわないかなぁと余計な心配もありますね。
同時期に発売された2022年10月の新刊はこちら