新婚よそじのメシ事情【漫画レビュー】

当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています。

結婚とは、異なる食文化を持つもの同士が幾多の戦いを経て理解し合い、また時には決裂しながら、その家庭としての新たな食文化を形成するための一つの形態である。とでも定義が出来てしまいそうな各自が育った家庭の当たり前のギャップを楽しむ作品の紹介です。

書籍情報

漫画: 小坂俊史
出版:竹書房
ジャンル:グルメ、日常、夫婦
既刊:全3巻
ebookjapanで試し読み

主要登場人物 

 小坂俊史、漫画家、作者
 王嶋 環、漫画家

レビュー&感想

漫画家、小坂俊史氏によるエッセイ漫画ですが「基本的に実話だが、オチだけはフェイク」の予定だったのが意外と実話だけでオチてしまったそうで、飯事情のタイトル通り、夫婦間の食文化のギャップが楽しめます。

パン祭りのシール集めの効率の良さや具のある袋ラーメンで結婚の良さを噛み締める夫もどうかと思いつつ、そんな小さなことでも幸せを感じられるのは良いことです。

妻が作る料理の話題もあれば、二人で何かを食べに行った時のこと、夫が一人で何かを食べに行ってメニュー選択の自由を謳歌する話など毎回のテーマは食べ物ですが、さすが4コマ漫画家です。オチをつけずにいられません。

特に長い独身暮らしで崩壊してしまった食への興味が『妻の普通』と巡り会ってカルチャーショックを受けるのが面白いですね。たとえばシチューを作るのは意外とラクだという話で、男性は「じっくりコトコト煮込んだ」という言葉に弱いように手間がかかっているのが嬉しいという主張に対し、それは身勝手な自己満足だとバッサリ切り捨てる会話には、耳が痛い世の男性も多いのではないでしょうか。

お気に入りは、牛肉の値段に対する価値観の違いが明らかになるところです。我が家でもそんな高額な肉をカレーに使ったことは無いはずなので、果たしてどんな味がするのか一度試してみたいものです。もちろん夫が料理をする場合もあり、一人暮らしでの貧乏な自炊を経験したことがある方ならば、あぁそうだよねぇと納得できるエピソードも多数あります。

食文化のギャップには世に言う男らしさ女らしさの違いに起因するものもあれば、男兄弟と女兄弟の家庭の違い、さらには永遠に分かり合えない関西風と関東風など、家庭の数だけ食文化は異なるのだなと思わずにはいられません。

日々新たな発見があり、そして時にはふたりでカロリーを忘れて闇に堕ちていくこともありですが、いずれにしても結果として仲良い夫婦がそこにいらっしゃるので、読んでいてもほんわかします。ふたりで食べるからより美味しいのは納得ですよね。

今時男性の方が料理をする家庭も珍しくないですが、それでも異なる食文化で育った夫婦間の深い溝はあるはずなので、我が家と比べてどうかなという感じで読んでみていただくことをおすすめします。

おすすめ!

ご家庭で食べ物のことで譲れずに言い争いになった経験をお持ちの方
仲の良い夫婦の日常にほんわかしたい方に。

続刊

双子のお子さんが産まれての続刊です。連載の都合上、お子さんの成長がちょっと早いですね。