朋子は毎朝の通勤路をギギギィーと自転車のブレーキを鳴かせながら通っていましたが、見かねたケッタ屋のヤンキーこと遼平に自転車を直してもらい、結果として付き合うようになります。ちなみに自転車の名前はディープインパクトですが、別に朋子が競馬に興味があるようなシーンは出てきません。それとも映画の方からの命名ですかね。
漫画：松虫あられ
出版：リイド社
ジャンル：家族、人間模様
既刊：7巻
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飯野 朋子 元アラサーOL、自分を抑えて相手に合わせがち
高橋 遼平 イケメンヤンキー、自転車屋
レビュー&感想
「ケッタ」とか「ケッターマシン」は東海方面での自転車を表す方言と聞いたことがありますが、お話の場所は岐阜です。私は自転車を「チャリ」とか「チャリンコ」と呼んでいましたが、これは関東での言葉でしょうか。そうそう「輩」という一文字だけをチンピラと同義の意味で使うことも知りませんでした。これは関西方面でのスラングなんだとか。
遼平はツナギを着たイケメンとして説明されていて、街中でも女性達の目を惹く容姿のようです。ただ頭二色でピアスもいっぱい付けてて手足にタトゥーもあるイケメンって、おっさんの私からはやや想像がし辛いですかね。『来世は他人がいい』に出てくる男達とはまた違ったカッコイイ悪人系でしょうか。もちろん性格的には分け隔て無い優しさを持つイイ男なので、女性にはそこのギャップが魅力なのかな。
朋子は、自分の気持ちをロクに言えず流され易く人に合わせてしまいがち、そして自分が我慢さえすれば正解という根深い考えを持っている女性として設定されています。反対に遼平は、思ったことを直ぐ言う感情直結型で、空気読まずに他人の心に土足で入り込む性格として描かれています。
なのでこの正反対の性格の二人の出逢いから、朋子は我慢せずに自分の意見が言えるようになり、遼平は相手の繊細な心の動きをくみ取ることの大切さを知るようになっていきます。朋子は自分の性格がゆえに実家に居づらい、会社に居づらいというストレスを日々抱えていましたが、遼平のところなら居て心地よいと感じ、無理して我慢する必要がないことに気づくのでした。
話の途中にあるように「今日で辞めます」とか言ってみてぇーと思う社会人の方も多そうです。10年以上も働いていたのなら貯金もそれなりにあって、しばらく無職でもいけそうなので自由を得た朋子が今後に何を選択していくかですね。
ちょっと気になるのは、友達の友達が実は知っている人だったみたいな、キャラの使い回しがやや多いところでしょうか。『海街diary』とかでも同じように、これはちょっと世界が狭すぎるなと感じがしたことありましたが。
また、序盤で朋子を嫌な目に遭わせるキャラとして使われた人達が、あとから実はその人も悩みを抱えていましたとか、以前のイメージとは違っていましたみたいな描写も少し多いですかね。それ自体はよくある手法なので良いのですが、あの人もこの人も実はそうでしただと、ちょっと使いすぎかなと。特にこれは明らかに後付けじゃないかなみたいに最初のマイナス描写が酷い人もいるので。
個人的には寿退社してしまったディスりの女神キミちゃんが好きなのですが、今はあまり出てこないので、この先に結婚を意識した朋子が相談する相手として再登場して欲しいです。
ちょっとワルい男に惹かれてしまう方
嫌なことを我慢せずに吐き出したいけれど、言えずに内に溜まっている方に