STAR TREK PICARD Season 3 後半【ネタバレ感想】

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Amazon Prime Videoで放映している「スター・トレック:ピカード」のシーズン3の後半の感想です。かつてのキャラ達に頼るようではストーリーはダメダメかと期待値が低かったですが、少なくとも前半までは面白かったです。オールキャスト同窓会になっているのは確かなのですが、上手く作られた後日談のように、それぞれのキャラが効果的に登場してますね。

Amazon UKでのOfficial Trailerです。

 

第6話 バウンティ ”The Bounty”

3隻のスターフリートの航中艦とヴァーディクがタイタンのデコイを見つます。デコイは現代でも潜水艦などで使われていて似た音などを出すことで、艦の存在位置を誤魔化すための囮の装置になります。

動画を停止させても3隻の艦名を読み取るのはちょっと厳しかったです。一つは前話の最後で敵対したイントレピッドとして、もう一つはエクセルシオールに似ているかな。

ジャックには「イルモディック症候群」がピカードの遺伝として引き継がれていることがDr.クラッシャーから語られます。TNGの最後とか、PICARDシーズン1でも語られた病気ですね。ピカードはその遺伝についてホロデッキで酔ったジャックにも嫌みを言われるのでした。

ウォーフとの再会シーンではライカーとのやりとりが昔通りで楽しいですね。やっとこさフロンティアディとの関係が語られます。

そしてブリィーフィングでデイストロームに潜入することが決定され、ライカー、ウォーフ、ラフィがあっさりと忍び込みます。そうすると追っ手がやって来てタイタンはエイサン・プライムへ。エンディングにも既に出ていたラフォージのいるFLEET MUSEUMですね。

怪しいものを保管しているというデイストローム・ステーション。最初のはピントが合わずにいまいち見えないですが、次に登場するのは、映画シリーズの『ST2:カーンの逆襲』にキーアイテムとして出てきて、次作の『ST3:ミスター・スポックを探せ!』でスポック復活の原因となった”ジェネシス装置”です。”GENESIS II DEVICE”とあるので次世代品ですかね。

そしてなんと次は”JAMES・T・KIRK”とあって人の骨格が映ります! カークは映画の『ジェネレーションズ』でヴェデリアン3で亡くなって埋葬されていますが、遺体を持ち帰った? ラベルは””CAPTAIN U.S.S. ENTERPRISE”となっていて提督扱いではないので、もっと前とか? この時にちゃんとバックにテーマが流れるところが良いです。

その次のはちょっとよく見えなくて、でその次がスタトレには定番のトリブルと。”GENETICALLY MODIFIED TRIBBLE”と書いてあったので、遺伝的に改造したということですかね。トリブルは怒りに任せたクリンゴンが絶滅させたという話もあるようでしたので。

突然カラスが出てきたりでなんだと思ったら、TNGで何度かお世話になったモリアーティ教授の登場ですよ。あの時と同じように艦が揺らされたのと似た演出をしているのはニクいです。

さて一方のタイタン。FLEET MUSEUMに着きます。本当にどこでもあっと言う間に移動できてしまいますね。あえて旧式スペースドックを利用してとなっているそうで、これも良いですね〜。

ついにラフォージとの再会です。実際の撮影では転送室のセットで、ウォーフとの再会シーンを撮って、ラフォージとの再会シーンを撮ってという感じで和気藹々だったりするとファンとしても嬉しいなとか妄想してしまいます。

ラフォージと一緒に登場したのはシドニーの姉のアランドラのようです。確か彼のお子さんはもう一人いたはず。ここでのラフォージは頭の固い役に徹していますが、このシリーズでは主人公のピカード以外はみんなそんな立場で描かれていますよね。

さてデイストロームへの侵入側。ライカーの懐かしい若かりし頃(まだ太っていなかった頃w)の映像が入ってモリアーティ教授の謎解き解決。そして保管庫にいたのはデータでした!

デイストロームは優れたAIに守られているとか、25世紀なのに今更な感のあったの表現が何度もあったのはしつこいなと思っていましたが、それらの前振りはこれを指していたと。そうすると、デイストロームにある非論理的な欠陥を利用したキーとは、あの感情チップの応用とかだったり。

さて、ピカードとラフォージが揉めている時に、ブリッジではセブンの手によりスクリーンに歴史的な艦達が映し出されます。最初はDS9のディファイアント。次のTOS型コンスティテューション級のニュージャージーはどこで出てきた艦か、ちょっと分かりませんでした。

その次はA型エンタープライズ。ジャックもお気に入りだそうですが、もちろん私もです。宇宙一美しい艦と言っても良いと思っています。ただし、この時にセブンがクリックした手元のパネルではシルエットはその形でしたが、艦番号の表示はNCC-1701A”では無く”NCC-75442”でした。ヴォイジャーも”NCC-74656”のはずが”NCC-77543”に見えるので、ここはちょっと手抜きかな。

ヴォイジャーを懐かしくかつ誇らしげに語るセブンはイイですね。そしてバウンティ号は『ST4:故郷への長い道』のバード・オブ・プレイです。ここはもちろん遮蔽装置の前振りなんでしょう。

デイストロームで見つかったブレント・スパイナーはシーズン1で演じられていた幾つかの役の時より、さらに老け顔な感じがしますが、スン博士がちゃんと歳を重ねる工夫もしたとか言い訳されています。しかしスン博士はシーズン1の時に、ピカードの復活に手を貸して直ぐに亡くなってしまったのでしょうか。

打ち解けきれないピカードとジャックの親子関係に、ラフォージとシドニーの揉めている親子関係を絡めるのは良い演出ですね。私も人の親なんで、子供を守りたい気持ちはちょっと分かりますよ。そしてそこからのNextのNext Generationsの悪巧みもイイです。子供の名前をつぶやいて同時にため息をつく父親二人のカットはとても良いですよ。

あとエンジニア出身のショー艦長が、一転してラフォージには礼儀正しく尊敬の念を持って接しているのは、これはこれでラフォージの威厳を示すとても上手い作りでした。

二人が盗んできた遮蔽装置の形はエンディングで映っているものでしょうか。でも冒頭のタイタンのデコイにも似ているように見えなくもなく。キーアイテムとしたら前者ですかね。

ライカーが敵を抑えているうちに残りの3人で脱出。そしてウォーフとラフォージの再会も転送室で、さらに後ろにはデータもいてと。やっぱりみんなで一緒に撮影していて欲しいですね。

逃げるタイタンを直ぐに追わない艦もまぁいつもの事ですが、苦労人のショー艦長の指揮がカッコイイのでよしとしましょう。

そしてピカードとジャックのわだかまりの解消。冒頭の病気の遺伝への愚痴と対比するように、良い資質ももらったというジャックにピカードはちょっと泣きそうです。お父さんの気持ち分かりますよ。うんうん。そしてラフォージとシドニーも和解しました。最後までにはライカー家族もそうなるシーンが欲しいとこですね。

データが普通に生きているとすると単純な話になってしまうので、4人の人格が載っているということにしたのでしょうかね。後で役立つとか? ブレント・スパイナーの演技分けは見事に昔のままな感じでとても嬉しいです。起動して最初に気づくのがラフォージというのも、かつての二人の関係を表しているようでイイですね。

目からビームで投影はおいおいちょっと待てという所ではありましたが、デイストロームから盗まれたものはそう来ましたか。前出のカークの件はこれの伏線だったですかね。

冒頭でピカードの仲間を探せと言っていたのがここに効いて来て、敵に掴まったライカーを脅す手段は映像出演だけではなかったディアナでした。凄いなオールキャストですよ。

いやぁ往年のファンにはたまらない神回でしたね。シーズン3良いですよ。最後までこのままの勢いで行って欲しいです。

第7話 支配 “Dominion”

ブラウザでのPrime Videoの表示のされ方がちょっと変わってしまって話毎のサムネイルが無いです。タイトル訳は「支配」ですが、これって勢力としての「ドミニオン」のことですよね。多少は掛けているのかもしれませんが。

ついにVOYからテーマソングと共にトゥヴォックが!と喜びながらも、そういえば病気は治ったのかなと思ったら、やはり偽者でした。これだけの出演だとすると扱いがちょっと残念。ローを含めてマキの残党とか出てこないですかね。ジェインウェイも名前ばかりが出てきますがどうなんでしょう。

ピカードの遺体とジャックを使って何をされようとしているのかが、まだ今ひとつ分かりません。なんだそんなこと、他の手段でも実現出来るのではとならないと良いのですが。

データとロアの見事な表と裏の混在の演じ分けは懐かしくて良い感じです。その混乱したデータからはピカードの病気にも何かの秘密がありそうなことが匂わされましたが、ジャックの未だによく説明がされていない症状と何か繋がるでしょうか。

あまり話数が残っていないですが、テレパシーのようシドニーの心が読めたり指示も出来たり、これまでも何度か表現されている選択の違いによるマルチヴァースを体験するかのような演出に、ちゃんと原因の説明を付けてくれるか心配です。

それはそれとしてかつてのキャラの子供同士であるジャックとシドニーとの関係性は面白い上手い設定な感じはしています。エンディングでは今後にも良い関係が続くような雰囲気で終わって欲しいですね。

うーん、ヴァーディクのだまし方が安っぽすぎる。そんな鬼ごっこしなくても普通に進入して来たところで閉じ込めれば良いだけでは? ラフォージの説得だけでデータが勝つのを含めてまぁいつもの事なんですけどね。

ヴァーディクから惑星連邦の闇が原因として語られますが、彼女が腕から出る変なのに従っているのと上手く繋がるでしょうか。そしてクラッシャーとピカードが銃を向けようとする決断が今ひとつよく分かりません。

それにしてもショー艦長は酷い目に遭いすぎですね。ガンバレ!最後にはいい目にあって欲しい。下手にピカードやライカーと和解したりはせずにw

最後はタイタンを乗っ取ったヴァーディクが感慨深く艦長席を見ながらそこに座り、ご満悦なのですが、可変種はスターフリートの中に沢山進入している状況な訳ですし、今更艦を乗っ取ったくらいでのこの行動はちょっと繋がらない気がしましたね。

前話の終わりに見せたライカーとディアナの状況も全く出てきませんし、どうやら今回は大きな転換点の無い繋ぎ回だったようですが、後3話で盛り上がってくるれることを期待したいです。頼みます。

第8話 降伏 ”Surrender”

敵が侵入している状況で丸腰のクルーもどうなんでしょう。ジャックが他者に乗り移れる能力があるとやっと明かされましたが、それだけじゃなくである事をしたりしなかったりという描写もありませんでしたっけ?

前話で無視されていたライカーとディアナが囚われている中でわだかまりを解消するシーンが描写されます。「イムザディ」とかありましたね。二人の話から推察すると、かなり長い事離れていたような感じなんですかね。

10分に1人ずつクルーを殺すと脅すヴァーディクなんですが、無慈悲なキャラを演じているようで、どこか軽い感じがします。たぶんキャラクターの背景が描き切れてないから、ただの通り魔的な狂人にしか見えないのですよね。

隣の人かと思っていたらいきなり殺されてしまったティヴィーン大尉は、これまでブリッジのシーンで台詞もあって結構映っていたのですが、これはこれで役者さんとしてみれば目立つシーンがあって良いことなのかもしれません。

二度目のライカーとディアナのシーンでピンチになったところでウォーフ登場。クリンゴンのテーマソングが流れます。久しぶりに再会したディアナを過剰に讃美するウォーフに対してライカーが言う「拷問の続きか?」は良かったですね。

システムを取り戻すのはデータの能力なら出来るぞということで、忘れてたデータとラフォージと合流します。データとロアとの精神世界?での対決になる訳ですが、ホームズごっこグッズ、ヤーのホログラム、スポットと懐かしのアイテムが登場します。

同時進行でブリッジにジャックがやってきてヴァーディクと対峙。俺が死ねば困るだろ?と捨て身の脅しにかかりますが、その裏でロアを取り込んだデータの復活で逆転となります。

うーん。老いたデータに4人の人格ってストーリー上の意味があったんでしょうかと思いつつ、おそらくはブレント・スパイナーが演じ分けたキャラクターが増えすぎてインフレしてしまったので、TNGの集大成として一つに融合して集約させたという作品上の意義と理解すべきなんでしょうね。

ラフィの刃物での戦いシーンは必要かな。敵もなんで撃って来ずに律儀に刃物で戦うのやら。そしてブリッジもそんなところが開くなんて、どんな緊急の時に使うんでしょ。ブリッジが敵に占拠されるようなリスクが想定してある? つーか、データが艦を掌握しているのだから転送でほっぽり出すのでも十分でしたよね。

真空に放り出されたヴァーディクはあっさりと木っ端みじんで、敵艦のシュライクも光子魚雷で撃沈。この時のムーラ大尉の”with pleasure”はイイですね。

撃ちながら方向を変えるタイタンと被弾した敵艦が壊れていく様を煽りながらのカメラワークでは、映像がかなり細かく作られていたのがとてもカッコ良かったです。今シーズンは宇宙船や構造物に関してはきちんと作り込みがなされていて、そこはとても評価できるなと思います。

さて落ち着いたところで、データを”Newest Version”とか”Upgrade”とか言いながら皆で迎えて、TNGオールキャストが作戦室に揃ってゆったりとテーマソングが流れます。懐かしいけど、みんな老けてるのは寂しくもありです。

ディアナもバッジを付けていたので未だに艦隊士官なのかと思いましたが、みんなもタイタンのクルーと同じバッジなので通信用に全員に配られたのかな。

さて、いつの間にやらあと数時間にせまったフロンティア・デイで、ピーカードの遺体から取り出された脳は何に使われるのかと、ジャックの心にひっかかっている赤い扉の謎を残して次回へ続くです。

全員揃ったのは良いのですが、前回と合わせて1回分で良かったかなぁ。ヴァーディクの下っ端チンピラ感で長々と引っ張ったのはかなり微妙でした。

第9話 声 ”Vox”

ついにディアナの力を借りてジャックの意識の奥にある赤い扉が開かれると、そこにはいつものボーグキューブが!でタイトル。原題は英語でなくラテン語だそうで、”o”の上にニョロニョロが付いています。

クラッシャーがボーグが10年以上現れていないとか言ってましたが、いや前シーズンでピカードとボーグクイーンとはお友達でしたよねw

ナノプローブは遺伝のしようが無いけれど、有機的な何かであれば遺伝可能という発想は面白いです。ただその場合はボーグの技術が進化したのでは無くて、ピカードがロキュータスにされた頃から存在しないと駄目ですが。

ここに来てまでピカードを苦しめるボーグという存在の活かし方は良いですよ。操られていたとはいえ、沢山の仲間を殺した事をショー艦長から攻められ、そして自らの息子にも影響が生じていた事でさらに自責の念が深まるという、シリーズタイトルに沿った構成は正しいです。

ピカードとジャックで話しますが、ジャックは受け入れません。ヴァルカンの精神融合でなんとか出来るかもって言ってますが、DNAに刻まれたものは言わばハードウェアで精神はソフトウェアとすれば、ソフトでハードの機能を使えなくしてしまう事はよくあるので確かに可能かもしれません。

立ち去ろうとするジャックに銃を持った保安員が出口を塞ぎますが、これもう現れた瞬間に操られて簡単に逃げられるよねと。ただもうこの時はジャックの能力が向上したのか、人に乗り移って操るというより、命令したら後は自動的に動くみたいになっています。

シャトルで逃げ出すジャック。ちゃんとワープエンジンが付いている機体です。失意のピカードを慰めようとするデータは良いシーンでした。

頭の中の声に呼ばれて跳んだ座標でボーグキューブに遭遇するジャック。ボーグなのでトランスワープという設定もちゃんと使っています。

タイタンではラフォージが分析結果を皆に伝えます。ピカードをシンスにする時に、元の身体を解析したスン博士がボーグが仕込んだギミックに気づいたので、その記憶を持つデータも知っていたというのは、まぁ繋がります。

で可変種は、そのDNAを欲しがったのでピカードの遺体をデイストロームから盗んだとしていますが、ここでボーグと可変種が最初からグルだったとも言っています。でもそうだとしたらわざわざピカードの遺体を盗む意味があまり無いような?

元から備えた機能そのものの仕込みでは無く、ピカードの体内で成長してその機能になったという解釈であれば、それをピカードの遺体から取り出す必要があったということなんですかね。でも単なるDNAだしなあ。

いずれにしてもドミニオンとボーグという惑星連邦と敵対する二大勢力を持ってきて組み合わせたのは悪くないです。前半でヴァーディクに指示をしていたお面がボーグだったりすると、ボーグが上位の関係なのかな。

そしてフロンティア・デイなので、スターフリートの全艦艇が太陽系に集まっているとウォーフが言うのですが、いやいやどんな重要イベントでも、それぞれの管轄地域を空っぽにして全艦隊が集まったりはしませんよ。防衛をなんだと思っているのですか。

そしていつもの無茶振りをするピカード提督と、振り回されるショー艦長。ショー艦長の苦悩ぶりともう諦めた感の哀愁が良いですよ。

ちなみにスペースドックを中心にスクリーンに映った各艦の表示で気になったのは、「RELIANT」「AKIRA」「GAGARIN」「OKUDA」とかですね。幾つか検索してみたら他にも世界の歴史上の人物の名前もありましたし、シーズン2の最初と最後の艦隊シーンで登場していた艦もあるようです。

なお実際の宇宙空間では各艦は3次元的に位置を保っているはずなので、2次元的に綺麗に平面で描写されている艦隊配置図はちょっとおかしいかなとは思いますけど分かり易さですよね。ちゃんと実際の宇宙空間のシーンではそれなりに散らばってました。

シェルビー提督って、まさにピカードがロキュータスにされた時に出てきた対ボーグ専門家のあのシェルビー少佐ですかね? そしてNCC-1701Fが登場しますが、Wikipediaによると新しいのでは無くて、ここで退役だったらしいです。

スターフリート創設の話では『ENT』にちゃんと触れてくれて、全シリーズに配慮している感じがするのは嬉しいかな。

さて一方のジャックはボーグキューブに入って声の主を探します。船内のセットはちょっと手抜きに見えるかな。あと持っているフェイザーがちょっと古そうなタイプに見えますが、最初からこれを使っていましたっけ?

シェルビー提督が艦隊が一つになって動けますとか誇らしげに宣伝してますが、カークの時代からそのためのリモコンコードありましたよね? 『ST2:カーンの逆襲』でRELIANTに使っていたはず。

で、お尋ね者のはずのタイタンが式典会場にこれだけ近づいても掴まりも警告もされないと。スターフリートも可変種もアホですな。

そしてついにピカードのDNAが何に使われたか分かるのですが、転送装置のアーキテクチャに組み込んでしまい、再実体化の際に体内に潜り込ませるという設定は、技術考証は置いておいて斬新です。転送嫌いのDr.マッコイは正しかった!

日常的によく使われる装置だからこそ、スターフリート全体に行き渡らせる事が出来たという説明は納得がいきます。転送装置にどうやって組み込んだかは不明ですが、車のソフトウェアのアップデート方法でも言われ始めているOTAへのハッキングですかね。

昨今のサイバーセキュリティの考え方からすれば、こういうものからも防御することを考慮しないといけませんが、今時だからこそ危険性についての実感の湧くアイディアでもありました。

そしてなんと前頭葉の発達状況により25歳位までの若い時にしかこの影響を受けないというのは、古い老人達と何かに影響を受けた若者達との世代間の対立を暗示しているようで面白い設定ですし、だからこそ御老体チームが動けるという話に繋がります。

その忍び込ませたギミックを覚醒させるための信号を送る送信機の役割を果たすために、今度はジャックが必要だったと。ピカード親子で受信機と送信機になっているのですね。

でも今のピカードは元の身体では無いので影響を受けないと。この辺り考えれば理解できるし上手く辻褄が合っているのですが、ちょっとややこしいかな。

どんどんクルーが同化されていく様は、まさにボーグの侵攻という感じで良いです。で、前話で命が助かったエスマー少尉がタイタンの制圧を宣言しますが、ここはヴァーディクの時と同じでちょっと蛇足感がありますね。ボーグ同士では音声会話いらないはずですし。

よりによって「U.S.S. EXCELSIOR」を攻撃するのが「U.S.S. HIKARU SULU」だとは! さらにもう一艦は「COCHRANE」です。「INTREPID」も現代の艦として存在しますし、何度か登場した事がある気がします。

何かのマークのようにも見えなくも無い、この妙な密集隊形は戦術的に意味があるフォーメーションなんでしょうか。あまりカッコ良くないなぁ。航宙艦がドローンみたいになってもねぇ。

そしてピカード達の脱出を助けるために、ついにショー艦長が倒れます。最後にセブンの名を呼んで艦を託して息絶えました。うーん推しキャラだったのに。最後までステージにいて欲しかったです。

ちょうどご老人と若者との間の世代に立っているとか、無茶振り上司に辟易とか、かなり自分を重ねて見てましたよ。後でちゃんと宇宙葬にしてあげて欲しいです。

そしてラフォージがヤマトの真田さんばりに「こんなこともあろうかと」と隠して用意していたのは、なんとD型エンタープライズでした!!

かつてのクルーが勢揃いして、艦番号がライトアップされてという、まさに『ST4:故郷への長い道』でのA型エンタープライズの登場シーンや『TMP』での大改装後シーン等、これまでの航宙艦登場場面を彷彿とさせるシーンは超イイです!

キャラはともかく、さすがにD型エンタープライズの再登場までは予想してませんでしたよ。これは完全にやられました。こいつはかなり幅広なんでスペースドックからの出航シーンもあまり見た記憶が無いですよね。

円盤部を引き上げてきてレストアしたって、これぞSF作品におけるエンジニア役の面目躍如ですよ!ラフォージ。グッジョブ。実はフロンティア・デイにサプライズで登場させようとでもしてましたか。

ブリッジに入るシーンは、俳優さん達も懐かしさいっぱいだったのでは。今から見るとリビングのようなかなり明るい空間だったんですね。ピカードがカーペットを懐かしいとか、降格を受け入れようとかのジョークを入れるのはグッドです。

全員がブリッジでのかつての定位置について、ピカードの”Make it so.”と”Engage.”の決め台詞で出発しますが、さあ、あれだけの混乱状況をラスト一回でどう収めてくれるでしょうか。最終回には期待と不安がいっぱいです。

第10話 ラスト・ジェネレーション “The Last Generation”

いきなりチェコフですよ。なんと惑星連邦大統領!と思ったら、流石に時代がTNG以後なので息子さんとしての設定ですね。『ジェネレーションズ』の冒頭でスールーの娘を羨ましく見ていましたが、ちゃんとご家族がいたじゃ無いですか。

役者さんのウォルター・ケーニッグご本人としても80代後半のはずで、実際にお年寄りっぽい声が似合っていました。

もちろんこのシーンは『ST4:故郷への長い道』での惑星連邦大統領の地球封鎖メッセージに重ねています。ただあの時は地球外からの脅威に対してだったけれど、今回は地球上にもボーグ化した若者が多数いそうですが。

D型エンタープライズは木星に近づきます。航宙艦が太陽系にというのは意外と珍しいシーンです。スペースオペラとしてはご近所になっちゃいますからね。あとガス惑星である木星の中に何かがいるというのもSFの定番ですねぇ。2010年とかヤマトとか。

タイトルの後にスペースドックがスターフリート全艦艇から攻撃されているシーンですが、これに耐えているスペースドックの方がじつは凄いのではないでしょうか。中にはボーグ化した若者もいるでしょうに。

しかもこれだけの艦数がいて攻撃配置が正面だけとか。裏はもちろん上や下も空いてますよって。ここでは地球を覆う巨大なシールドがあって回り込めないことにしておきましょう。

タイタン艦内ではショー艦長に託されたセブンが、残った中高年クルーと奮闘します。あっさりブリッジに乗り込まれるボーグ化されたクルー達も戦闘下手ですね。

主要ブリッジクルーを殺さないためとはいえ、転送フェイザーとか、ラフォージとかのエンジニアもいないのに突然むちゃくちゃな発明品を出してきます。セブンの物言いはまるで言い訳みたいですよ。

ビビるクルーの ”I’m just a cook.”とかで、常にマッコイの名台詞を思い出してしまうのは古参ファンの悪い癖w

ピカード、ライカー、ウォーフの3人でボーグキューブに乗り込む事になります。この時にウォーフが言う”threesome”は確かに字幕通りの3Pの意味があるらしいのですが、この状況でウォーフというキャラが、その意味で使う台詞では無いだろうと思いました。

キューブ内のセットが手抜きだったのは、後で分かりますがボロ船だったということもあるのでしょうか。ジャックの元にたどり着くまでにピカードが皆に度々感謝を述べたりとかするのですが、戦闘が続いている中で、ちょっと今更な間延び感が出ちゃいますね。

ボーグスーツのジャックの後ろにボーグクイーン。老いている風な見た目です。ロキュータスに対して家に帰って来たという言い方は他作品でも同じですが、どの時間軸のクイーンなのでしょう?『ファースト・コンタクト』では倒されてもいるし、シーズン2では結果としてアグネスだったし。ここでは他に残った集合体がいなくて孤独だとか言っているし。

ボーグとは集合体であるという発想からすると彼女達が複数いても許容ですが、今回キューブがたった1機しかいないことも含めて、未だに宇宙艦隊と敵対しているはぐれクイーンというように脳内補完するのが正しいですかね。

ちなみにエンドクレジットからすると、声だけはかつてのボーグクイーンを演じた方が入れているみたいですよ。

静かに休んでいたボーグが突然目覚めるシーンはそれらしく懐かしくて良いです。一方でボロボロなクイーンが今更宇宙征服みたいな目的を語り出すのは、ちと痛いです。

キューブからエンタープライズへの攻撃が一見デタラメに見えますが、進路を先にフェイザーで塞いでいくという戦法ですかね。Dr.クラッシャーの手動攻撃の上手さと他キャラの驚きも面白くて良いです。

困難なボーグキューブ内への侵入でデータが自分の直感を信じろとか言いますが、これも『ST4:故郷への長い道』での帰りのタイムワープ時でのスポックの勘(Guess)を彷彿とさせますね。

スペースドックを無力化した航宙艦たちは地上攻撃に移ろうとしますが、そもそも地上攻撃用の兵器なんて装備していないような。もっとも光子魚雷は反物質兵器なので下手な核兵器よりずっと強力そうです。ところで地上にいるボーグになった若者も滅ぼすつもりだったんですかね。

結局ピカードはボーグ集合体に接続してジャックの精神にアクセスして説得しますが、集合意識体内における固有意識同士での会話の成立というのはどうなんでしょう。父と子の愛情が勝ったみたいな単純な決着にはなってしまっていますが、

そしてライカーとトロイの心の結びつきで居場所も分かって、エンタープライズが4人を転送で救出。一瞬、ライカーとウォーフが置き去りにされるかとは思ってしまいました。

で、ボーグ側の信号が途絶えたから最後の命令を継続となったのに、ボーグクイーンが消滅したら若者達が急に正気に戻るって変じゃないですか。だって信号が途絶えているのですよね?

さてさてボーグを倒して若者達も全員元に戻り、戦いが終わってD型エンタープライズのブリッジ中央の三席に並んで座るラフォージ、データ、ウォーフのカットは良かったです。今回のエピソードではそれぞれのキャラクターにきちんと見せ場があって良かったですよね。

ピカードのジャックに対する ”Welcome to the ENTERPRISE.” も、父親が息子に職場を見せる感じでイイッすよ。

ただまぁ冷静に考えてみると、この親子が原因になったそれぞれの戦いで、スターフリートのクルーが一体どれだけの命を失ったのかという話になってしまうのは引っかかりますよね。

で、今回はメカでなくてバイオ的な浸食なので、直すのにも手術もいらずに簡単と。クラッシャーも簡単に提督になってしまいます。

幸いにしてトゥヴォックも生かされていました。セブンが辞めると言った時に眉を上げる仕草がイイですね。このヴァルカン人の仕草は、私も昔練習したのですけど出来ないです。かなり昔のライトノベルでは練習の結果で身に付けた人もいましたが。

そしてここで、セブンに厳しく当たっていたはずのショー艦長の実はいい人ぶりが! セブンで無くても泣きますよ。ちゃんと最終回でも我が推しの救いがあって良かったです。ありがとう!!

ラフィとウォーフの別れではウォーフもやっぱりイイ奴で、そしてここであえてのハグを持ってきたのも、ここまでのそれを匂わせていたのを含めて上手い演出ですね。

データも人間的になってどうこうというよりも、話の長い爺さんという感じになってしまいました。細かいですが、ライカーに答えてから彼の腕を叩いて出て行く所は、より人間感を出そうとしているようでもありました。

さて、そして1年後です。D型エンタープライズもフリートミュージアムに飾られて(というかデカくてはみ出してますけど)ピカード、ライカー、ラフォージでのD型エンタープライズのシャットダウンからのジャックのスターフリート士官としての着任シーンになります。

この1年間、親子3人で密に過ごせたのかなという雰囲気を出しています。そしてピカードが配属先を知らないとか、もうやりたい事が分かり過ぎです。もちろん、いいぞもっとやれですが。

迎えるはU.S.S.タイタンあらためU.S.S.エンタープライズ NCC-1701Gです! てかこの脚本書いた人は絶対『ST4:故郷への長い道』が好きでしょう。もちろん私も大好きですが。

ここでのジャックからの ”Welcome to the ENTERPRISE. Admiral.” は、もちろんちょっと前の1年前のシーンを元にしての繋がりであり、ピカードの泣きそうながらの満足そうな顔はとてもイイです。

ジャックの役職がカウンセラーというのはちょっと?でしたが。その役職まだあったんですかね。まぁ艦長補佐辺りという事で。

スターフリートの歴史における「発進」のキーワードを意図的に茶化すようにしながら、G型エンタープライズとしての初航海のためにセブンが発する言葉にブリッジクルー皆の期待を集めるのは面白いですが、それが何かをあえて明示しなかったというのはちょっと日本的だった感じもします。

これで本当に最後となるTNGメインキャスト達の乾杯と懐かしのポーカーシーンで、スタッフクレジットに合わせてテーマソングが流れて終わるかと思ったら、あと一つ、最後にQでした。

Next^2 Generationにもトリックスター再びというのは悪くない終わり方ですけど、エピローグがちょっと詰め込み過ぎにも感じましたかね。なんせ時間的に今話の1/3がエピローグでしたよ。

と言う訳で『スター・トレック ピカード シーズン3』が終わりました。はい、良かったです。とても満足です。ツッコミどころも沢山ありましたが、綺麗にTNGを締めてくれたと思います。いい余韻でした。

特にメインはTNGの後日談でありながらも、TV版や映画版も含めて各作品への配慮が溢れていたのは素晴らしいですね。あらためてそのネタを探すのも楽しそうです。良かった、良かった。

前半はこちらから(すみません4話と5話が抜けてます)

Amazon Prime Videoで『スター・トレック:ピカード シーズン3』を観る。

おまけ

エリエールのウエットティッシュケースに惑星連邦のシールを付けただけでとても良い感じに! ケースの純白さもかえってそれらしいです。職場の机での癒やしに置いてます。さすがに24世紀でウェットティッシュは使われていないと思いますけどw


The Star Trek Sticker Book

このシールが入っていたシールブックはもう20年以上も前に買ったものになります。Amazonで検索したら、ちゃんと20年前に購入したものと出てくるのが凄いですね。もったいなくて20年経って1/3も使っていませんが。