ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん【漫画レビュー】

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リーゼロッテが可愛い。ほんと小林さんに同意します。ツンデレの心情は周りの人にもバレバレで理解し易いがゆえにキャラ特性として立ち得る訳なのですが、さらに一歩進めて、ツンデレとは何かを異世界の王子に一から解説するという手法で、その良さを力説するという素晴らしい表現を行っている作品を紹介します。

書籍情報

漫画:逆木ルミヲ(キャラ原案:えいひ)
原作:恵の島すず
出版:KADOKAWA B’s-LOG COMICS
ジャンル:異世界、ゲーム、ラブコメ
既刊:6巻
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主要登場人物 

リーゼロッテ  ツンデレの侯爵令嬢、王太子の婚約者、リゼたん
ジークヴァルト ツンデレを理解し始める王太子
遠藤碧人    神、実況担当(高2)
小林詩帆乃   神、解説担当(高2)

レビュー&感想

「マジカルに恋して」というゲームの舞台である異世界と現世との繋がりのストーリーなのですが、転生して直接入り込むのではなく「神の声」として神託を与えてゲーム内の異世界に影響を与えるという発想が新しいです。

現世とゲームが繋がっていて、ゲームの進行に影響を与えようとする作品では、他にも『悪役令嬢転生おじさん』等がありますが、あちらでは現世側からしか状況が理解できていないのに比べ、こちらではゲーム内側のキャラも現世側を神として捉えることで、早期にコミュニケーションが成立しています。

タイトルは長くて何じゃこりゃなのですが、リーゼロッテは本当にツンデレ悪役令嬢ですし、小林さんは確かに実況を差し置いて絶叫する熱い解説者として上手く設定されていると思います。掛け合いする実況がいてこその解説ですので、その点からも実況の遠藤君を置いたのは凄く上手い設定だなと思います。

ゲーム終盤に対決する対象として語られる「古の魔女」だけを人外の悪役として、名前があるような主要な登場人物には悪い人がいないのもいいです。令嬢もので主役キャラを引き立たせるために出てくる悪役が人間的に汚すぎると興ざめしてしまうので。

序盤は、偉大なる二柱の神である「実況のエンドー様」と「解説のコバヤシ様」から神託を得てツンデレを理解し始めてしまったジークが、婚約者であるリーゼロッテの本心をついてクリティカルヒットを連発するのですが、その時にデレるというよりも恥ずかしがるリーゼロッテがほんと「くっそかわぇぇ!」です。尊いです。

ゲームの制作チームの悪意から逃げ切った誰も死なない「最高を超えた最高のハッピーエンド」を神託によって導くことを目指す現世のふたりですが、男女のペアですからこちらの方でもちゃんとイベントが起きまして、ふたりの関係がどうなるのかも気になります。最初は絵があれかなと思っていたので、あぁやっぱりそこは繋がっている表現だったのかと納得できて良かったです。

話が進むに従って、まさに章毎に分かれたゲームのように次々に新たなストーリー展開が出てきます。その流れでもちゃんと軽く先触れしておいてから本筋に繋げていて自然で上手いですね。

おそらく原作自体も良いのかと思われますが、全体的に絵が良いですしコミカライズはかなり成功していると感じます。ゲームでの本来のプレイヤーキャラであるフィーネの無双時のたんたんとした表情も好きです。

3巻で見ることができるリーゼロッテのいとこの見習い騎士であるバルドゥールとフィーネのふたりに対して策略を巡らすリーゼロッテの出来る女ぶりもいいですね。これはまさに仕打ちとしか言い様がないぞ、リーゼロッテ!

4巻になると、このゲームの最後に用意されている破滅を避けることが目的であるということが、異世界側のメンバについに知らされます。そしてさらにお約束の他の枠キャラがちゃんと設定されていることが示唆されました。

リーゼロッテの深刻な運命が語られると共に、リーフェンシュタール家の濃ゆい方々が織り成すドタバタ劇が、その深刻さを和らげるように差し込まれるのはイイ構成ですよね。

おすすめ!

良作のシナリオゲームを誰かと一緒に見ながら楽しみたい方に。
そして、ツンデレを愛する全ての人へ。

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