指輪の選んだ婚約者【漫画レビュー】

当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています。

王国の魔法騎士であるフェリクスが好む占術は、魔術の一種で主に吉凶を判断するものとされています。幸運の大小も分からず、分かれ道で行き先を選ぶ棒占い程度のものだそうですが、確かにそれを行った術者にとっては良いことが起こる選択を示してくれるのです。そう、彼が選ぶと幸せになれる何かを。

書籍情報

漫画:早瀬ジュン(キャラ原案:鳥飼やすゆき)
原作:茉雪ゆえ
出版:KADOKAWA フロースコミック
ジャンル:偽装婚約
既刊:4巻
ebookjapanで試し読み

主要登場人物 

アウローラ 伯爵家令嬢、刺繍オタク
フェリクス 近衛隊騎士、占術使い

レビュー&感想

夜会で酔っ払った魔法騎士が自棄になり、投げた指輪が当たった相手を妻にすると一方的に宣言し、その後の土下座を含む話し合いの末に偽装婚約をすることになりましたが、いつの間にやら…という定番ラブストーリーです。

容姿と内面が噛み合わないと言われる残念系美男子フェリクスは、過剰にせかされる見合いに疲れ果てていたために、あまりにもいい加減かつ失礼にアウローラを婚約者として決めてしまいます。

しかしその結果、婚約者さえいれば見合いの圧力が発生しないという利点に気づいてしまい、その維持のためにしばらくの間はアウローラに婚約者でいてもらうことを懇願します。

あくまでも「指輪が選んだ」というロマンティックなことだけにでもしておけば良いものを、理由を正直に話してしまう残念さの徹底ぶりです。

しかし申し込まれた方のアウローラの側も、刺繍オタクである自分にも趣味の刺繍のための時間確保のメリットがあるかと簡単に受け入れてしまいました。

フェリクス自身が女々しいと思っていた占術の趣味を否定されなかったことなどもあり、ふたりは少しずつ距離を縮めて行きます。

そしてこれまでフェリクスは女性との交流を避けていたからか、いやいやアウローラがとても良い令嬢だったからか、ふたりでの会話の心地よさと彼女の真っ直ぐな笑顔に、フェリクスはとても「チョロい」感じで恋に落ちてしまうのでした。

そんな中でアウローラの行った刺繍に魔術上の興味を持った王子の提案や、違う意味で残念なヘンタイ同僚騎士であるユールの行動が、フェリクスの恋路を邪魔してくることになります。

とはいえ自覚したら一気に攻めに転じるのは騎士ゆえでしょうか、彼は一時的な逃げとして婚約者であることを依頼したことさえも忘却の彼方に置き去り、アウローラにどんどん情熱的なアプローチをしていきます。普段の社交性に乏しいからこそ、こうと決めた相手がいれば一途な人っていそうです。

そうなればクリティカルヒットを何度も受ける側になったアウローラがどうなるかは、もう説明の必要はありません。刺繍オタクが生まれてはじめて刺繍ではないものを一番に選んだなら、そこからは読者が期待するゴールまでは一直線となります。めでたしめでたし。でもお話はまだまだ続きます。

おすすめ!

何かに導かれる運命の出会いもイイよねと思える方に

最新刊

最新刊の4巻の途中のハッピーエンドまでは主要キャラの登場と設定の確立というところです。ふたりが無事に両想いの婚約者同士になってからは原作2巻目の話として新章が始まります。アウローラの持っていた力に焦点が当たってピンチが訪れそうな雰囲気ですが、甘い惚気パワーをまき散らしながら、ふたりは乗り越えていってくれそうです。