ミズ・マーベル 前半【軽く感想】

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Disney+で配信されているマーベルのドラマである「ミズ・マーベル」(配信ページでのタイトル表記は”MS.マーベル”)の感想の前半分(第1話〜第3話)です。原作も知らずネタバレと言うほどの背景知識が無いので、あらすじと共に単純な感想を書くことにしておきます。主人公はニュージャージー州に住むカマラ・カーンというムスリムの女子高生。キャプテン・マーベル推しのアベンジャーズオタクです。

後半(第4話〜)はこちらへ

第1話 ジェネレーション・ホワイ

映像的にはとっても良かったですね。第1話を見た範囲では、かなりおすすめです。最初に流れるカマラが作ったと思われるYouTube動画ですが、手作り感を出しながら絵もめちゃくちゃ上手くて凄く良く出来ています。これで視聴数が一桁とかあり得ないですw これだけYouTubeにアップロードしておいても良い宣伝になりそう。カマラの部屋のごちゃっとした作り込みもイイです。

登校時のシーンを見るとやっぱりオタクは学校で迫害されている設定なんですかね。でも理解してくれる友達がいれば十分幸せですよ。友人のブルーノと二人で自転車で話しながら帰る時の街の壁の上に描かれるコミック調のキャラクター達の動きも良いですねー。チャカチャカ動く感じがオタクの早口に合っているようで、これまたイイですよ。親の目を盗んでアベンジャーズ・コンにどうやって参加するかが二人の課題です。

さて、カマラはお婆ちゃんが送って来たガラクタの荷物の中でCoolな腕輪を発見します。それを見て「That is junk.」と言って片付ける時のお母さん、なんとなく何かを知っていそうではないですか。

夜の街も道の文字とかネオンサインとか使ってカマラの気分を表してみたりと街を使った一貫した表現が面白いです。その後で屋上で二人の時に、君は世界を救えるとか言っちゃうブルーノ。良い雰囲気ではないですか。ブルーノ・コーポレーションの表示もスターク・インダストリーズみたいでイイです。

カマラは絵が上手いですね。それを表現する映像の作り方も個人的には好きです。見ていて楽しいです。ブルーノのコスプレをパキスタンっぽくしたらというアドバイスにお婆ちゃんの腕輪を思い出すカマラ。

計画通りとまでは行かないけど無事にアベンジャーズ・コンに参加出来ます。会場の中がこれまたよく作り込んであるんです。手作り感を出しながらファンダム感やお祭り感がとても良く表現されていて、それらを見回っている二人もとっても楽しそうです。パッパッと切り替わるカットを何度も見てネタ探しするのも面白いですよ。

ついにカマラが参加するキャプテン・マーベルのコスプレコンテストが始まりますが、英語でも”cosplay”って言うんですね。ブルーノに作ってもらったフォトングローブを直前で落としてしまったので、とりあえずあの腕輪をしてステージに立ったら、変な緊張からか突然スーパーパワーを出してしまいます。

その結果、アントマンの巨大化時モデルのそれだけで直径3m位はありそうな頭がもげて会場に転がり出して大パニックに。この時にも頭が当たって壊れていく会場の色々なアベンジャーズの飾り付けを見ることが出来ます。

なんとか巨大ムジョルニアの振り子に振り落とされた別に参加していた同級生のゾーイも助けて、家に逃げ帰るカマラとブルーノ。しかし今時です。やっぱり動画を撮られて拡散されていました。そしてなんか悪そうな奴らもそれを見てましたよ。

ネコナブキ
ネコナブキ

とてもカラフルな絵作りですが、表現のために加工された映像がとても面白いです。まだ始まったばかりなのでヒーロー感は無いですね。

第2話 恋のはじまり

第1話では卑下した感じであった学校への登校時のシーンを、同じように繰り返しつつもカマラ自身の気の持ちようで世界が一夜にして変わったかのように描写をして始まります。タイトルは「Ms.MARVEL」のまま同じで、そのデザインがパッパッと変わっていくのは『ロキ』のフォントが変わるのと似てますね。

カムランというイケメン風の転校生が現れます。カマラは見た目でもうとっても気になるようです。カマラがアベンジャーズ・コンで助けたゾーイは、さらに人気者になっていてパーティにみんなを誘います。

どうやらカマラのスーパーパワーは、光を固める性質のもののようで、それを空間上に固定して乗ったりも出来ます。しばらくは使いこなしのための鍛錬に励みますが、どうも上手く制御できずに突然顔の上に光が表れたりもします。

モスクのシーンではイスラムの男尊女卑的な状況が表現されているのでしょうか。礼拝堂では男性が前で女性は仕切りがあってその後ろとか。友人のナキアによるそのような差別へ不満も。この辺りは自分もニュース程度にしか知らないのですが実際こんな感じなのですかね。でも若者がそこでもスマホでふざけている描写は、多少表現を和らげている部分もありそうです。

転校生のカムランが気になってゾーイのパーティに参加するカマラ。その場でも屋根からプールへ飛び込むなどで目立つカムラン。カマラの目はハートマークです。後でみんなで乗せてもらった彼の車はポルシェですかね。連絡先も交換して帰宅したら有頂天で「Be My Baby」で踊ってノリノリなのは曲は古くてもティーンエイジャーっぽくて良いです。寝っ転がって背景にしたシーツでチャットを表現するのも面白いですね。

翌日、ブルーノは先生に呼び出されて、Caltech(カリフォルニア工科大学)のイマージョンプログラムに参加(早期入学?)できたことを伝えられます。ということは彼は適当にグッズを作って遊んでいるのではなく相当に優秀なんですね。ただそのためにこの街を離れることには躊躇します。

一方で、それを相談したげなブルーノの誘いを断って、カムランに車の運転を教えてもらって上機嫌のカマラ。めっちゃ意気投合して今回のタイトル通りかと思わせます。

そのあと自宅で食事中にちょっと異変があってカマラが気を失います。どうやら1947年のインド・パキスタン分離独立時の頃にいた曾祖母が、何かカマラが得た能力の秘密に関係ありそうです。

「イード」はラマダン明けのお祭りです。ブルーノはムスリムでは無いのでしょうが誘われてやって来ています。これは親族が沢山集まってお祝いする新年の行事のようなものだとか。そこでもカマラは親戚筋に曾祖母の情報収集を行います。どうやらかなり変わった人のよう。そして事件が起きます。塔の上で無理な体勢で自撮りをしていた子供が落ちそうに!

当然カマラは自称ヒーローですから、あのコスプレ衣装に着替えておっかなびっくり助けに登って行きます。古いたとえですが『アメリカン・ヒーロー』で初めてスーツを着たラルフ・ヒンクリーのようです。かなり息が上がってますが、光の塊で足場を沢山作ってなんとか助けることが出来ました。拍手喝采のあと、ナターシャのあのポーズまでしてご機嫌のカマラです。

しかし、腕輪が光って曾祖母の映像が見えて驚き、せっかく助けた子供をまた落としかけます。なんとか高所からの直接の墜落は避けられましたが怪我はしてしまったよう。カマラは逃げ出します。

そこにいきなりドローンや銃をもってカマラをつかまえようとする悪そうな集団が! 追われながらもなんとか逃げるカマラ。道路に転がり落ちると、そこに黒いスポーツカーがタイミング良くやって来てドアを開けたカムランが「乗って!」と。

何だから分からずとにかく乗って車は急発進し、マスクを取ってカムランの顔を見るカマラ。そうすると後ろのシートから「カマラ」と呼びかける女性の声が。「会えるのをずっと待ってたわ」と言われて、もう一度カムランを見ると「俺の母だ」と述べたカムランはやっぱりただのイケメン転校生ではありませんでした。

ネコナブキ
ネコナブキ

ここまで良い感じですね。今回も次回に向けて上手く引いて終わっていますので、この後で中だるみ回が無いことを祈ります。ムスリムの文化の表現も自分には未知なものが多いので面白いです。

第3話 宿命

急に重いタイトルですね。ただ内容もそれなりです。カムランの母は、カマラの曾祖母と知り合いで、1942年にインドでイギリス軍に追われて、ここにいる4人と別れたままであることが話されます。皆さん別の次元の世界から来た人達だそうで、100年もこの世界にいるのに歳も取っていません。ということは曾祖母もこの先どこかで出てくるでしょうか。

腕輪ももう一つあるはずだが見つかっていないと言われました。両側に付けるとテン・リングスみたいになっちゃいそうですが。カムランだけはちゃんと17歳ということで安心するカマラ。

腕輪を付けることで発現した「ヌール(光)」と呼ばれる力を使えるのは曾祖母の血を引くカマラのみ。なので故郷に帰る手伝いとして欲しいと言われます。元の世界の名前として教えられた「ジン(魔神)」は前回に兄が言っていたアラブ世界における超自然的なものの呼び名のようです。

異次元についてブルーノを頼るカマラ。今回、彼はちょっとカッコイイ役回りですね。Caltechに入学できる頭脳を持つことが示されているし、見た目もさっぱりしたような。女友達のナキアも理事に当選したと言い、カマラの友人達が、それぞれに道を見つけているようにみえます。

兄の結婚式の準備が行われています。祖母のサナは来ないことが揶揄され、曾祖母のアイシャと合わせてちょっと変な人扱いされているようです。カマラは自分の行動が皆に迷惑をかけているのではと気にして、シャイフ(長老の意)に相談してみます。彼から「善(good)」は存在するものではなく、行いで示すものという言葉をもらい、さらにブルーノが置いていった、いずれ正式に付けることになるラピス色の仮面を見ながら、カマラは何かを心に決めたような良い顔します。

ブルーノが店番しながら弄っているPCには、ワームホールの特異点を抜けるような図が表示されてますね。勤勉ですね。店にやってきたカマラの親父さんからウルドゥー語(パキスタンの言語)で書かれたジンの伝説も翻訳してもらって、それがカマラの言うとおりということが分かります。

しかし「ジーニー」と言ったらアラジンに出てくるランプの魔神では無いですか。そう最初のシーンで腕輪が着いていたのは青色の腕でした。これはちょっと繋がりましたよ。

キャロル・ダンバース(キャプテン・マーベル)なら時空にパンチで穴を開けて直ぐ解決するだろうって、彼女の性格なら本当にそうしそうです。ブルーノにちょっと待つように言われたこともあり、やるべきことが直ぐにやれない葛藤について母親に慰めてもらったりと良い親子関係ですね。

ここまで、たとえ貧しくても幸せな家族というように描いているのは好感が持てます。その後で結婚式直前の兄と父との会話でも家族の価値ついて語られるので、これも今作のテーマの一つなのでしょう。

さて場面は変わって、兄のアーミルとタイシャの結婚式です。これはとても華やかで面白いです。一見の価値ありです。外国映画における日本文化の間違った表現もよく見られますので、これがムスリムの結婚式を正しく表現できているのかは不明ですが、未知の文化がとても興味深く面白いシーンです。しかもブルーノ始め異人種の人達も一緒に踊っているのがまた良いですよ。「アラッーアクバル」はお祝いの言葉なんですね。

そんな宴の最中にカムランがやって来て、ブルーノが嫉妬して、なんて言っている場合ではなくなりました。事を急ぎたい冒頭の4人が乗り込んできて、カマラとのバトルになってしまいます。BGMはBon Jovi の 「Livin’ On A Prayer」です。戦いの中で一瞬、光がカマラの上半身を覆うアーマーのようになったカットもありました。

ギリギリのところであの黒い集団が乱入して来て九死に一生を得ましたが、味方に着いてくれたカムランも倒されてしまったし、ブルーノも怪我をしてヤバイ状況です。家族にも話せず、その絆が壊れてしまいそうになったところで祖母から電話が。明日にして欲しいと言うカマラに対して「汽車を見たでしょ。カラチに来なさい」と。

確かにバトル中、黒い奴らが来る直前にカムランの母親に腕輪を捕まれて、上からこちらに突っ込んでくる汽車を見てました。そのシーンを再確認したら、汽車のヘッドマークには”KARACHI”と書いてありましたよ。祖母は私も汽車を見たから来なさいと言うだけ言って電話を切っちゃいますが、どういうこと??? とこれまた次回に繋げる上手い引きで終わります。

ネコナブキ
ネコナブキ

いやー毎回良い引きで次回が楽しみです。ムスリムの華やかな文化の表現も毎回とても面白くて、ここまでの所ではとてもおすすめですよ。