音が広がる ECLIPSE TD307MK3【レビュー】

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デンソーテンのTD307MK3をレビューします。見た目でインパクトがありすぎの形ですが、これはいかに正確な音を再現するかにこだわったがためだとか。売りは空間再現力です。

TD307MK3

購入理由

実は、これホームシアターでのDolby Atmosのトップスピーカーにするつもりで購入しました。しかし箱を開けてみると思っていたよりデカい。このシリーズで一番小さいモデルだと思って甘く見てました。そして思ったよりずっと重いです。仕様値としては2kgですが、この大きさにしては見た目よりずっしりと重い。磁石がかなりしっかりとしたものが入っているのかと思われます。

もちろん購入前にスペックは確認していましたが、実物を天井の柱に当ててみると、ちょっと無理かなと断念しました。土台も想定していたより長目で、取り付けようとしていた柱から少しはみ出してしまうのが敗因です。重さ的にも素人が天井に付けようとするのは少々危ない作業かもしれません。後から2つ買い足して4つ揃えようと考えていたのですが他のもう少し軽いスピーカーにすることにしました。

外観

単体外観
左下に見えているのは落下防止用のワイヤです。

なんと言っても見た目に特徴がありすぎます。底がへこんだゆで卵そのものといいますか、綺麗な流線型で、土台との接続も最小限にされているので、このまま飛んでいきそうです。少し旧世代なSF映画にでも出てきそうで、ミニマルなリビングに置いたりすれば、めちゃくちゃカッコイイと思います。残念ながら我が家のリビングはちょっとごちゃごちゃしているので、リビングへの設置も断然せざるを得ませんでした。

ネット付き
金属製のネットを付けた状態

音の広がり

さて、ではどこで利用しようかと思い、当初はステレオでの利用は想定していなかったものの、まずは音だよねと最初にニアフィールドに置いて聴いてみたのですが、噂に違わずというか、目を閉じると見事にスピーカーが消えます。ユニットはわずか6.5cmしかないので、音の出場所が分かってしまうような鳴り方を想定したのですが、こんな小さなスピーカーユニットが鳴っているとはとても思えないほど、目の前に音が広がります。大きな面で聞こえる感じです。これが空間再現力でしょうか。トップスピーカーにするにはもったいなかったかなと思いました。

四角いスピーカーは明らかに正面から音が聞こえるのですが、このスピーカーでは正面よりもちょっと角度をつけた位置に耳を近づけてみても、音が出ているような気がします。もちろん筐体が振動しているというような意味ではなく、音がもう少し広い範囲から生まれているような感じです。筐体が曲面となっている効果なのでしょうか。

低音も、見た目の印象よりもずっと出ていると思います。もちろんもっと口径の大きなスピーカーと比較試聴してしまえば足りないのは当然わかってしまうのですが、これ単体で聴いている限りは、音が響かずにがっかりというようなことはありません。正直このユニットの大きさで良く出ているなと思います。中高音がすっきりとしていて明瞭度が高く細かい音も分かりやすいので、低音がやや少なめでも気にならないと思います。

技術的には、より原音に近い音を出すために、ユニットの振動がエンクロージャ(筐体)に伝わらないようにされていたり、この卵形の形もユニットから出た音が回折するのを防いで広がるように選択されたものらしいです。

設置性

音質と並ぶこの製品の特徴は設置性です。元々それもあってトップスピーカーとして考えていました。固定された土台に対して、かなり動かすことが出来ます。前屈みも見上げたりも、左右に至っては360°フルに回転します。仕様値は以下の通りです。

 通常時:-25°~30° 左右方向:360°
 天井・壁面取付時:0°~90° 左右方向:360°

上向き
上向き+30°
下向き
下向き-25°
横回転
取付け部を軸に360°回転

土台の裏にあるネジを4本外すと土台の向きを変えて取り付けることが出来ます。土台の金属板の溝は、先に土台を壁や天井などに取り付ける際に木ネジを通す溝です。また支柱は根元がパイプ状になっていてスピーカーコードを土台の裏側から通すことできるようになっています。

分解
土台をバラしたところ。

土台を反対に取り付けると、90°真上に向けることも出来ます。つまり壁に取り付けると、真横に向けることも出来るわけです。天井に付けたら真下を向きそうですが、ちょっと危ないですかね。

+90°
土台を逆に取り付けると+90°

落下防止のワイヤも付属しています。

落下防止ワイヤ
横90°
壁に付けたならこんな感じ?

設置場所

結局、このスピーカーは私室のやや高い位置に置くことにしました。本当は天井付近に付けたかったのですが、片側にエアコンがあるために170cmくらいの高さです。部屋の両端においてお店のBGMのようにして使っています。実はここには当初はJBLのControl 1 PROを置いていました。これもプラスチック筐体ながら元気な音で良かったのですが、玉突きで今は古いAVアンプと組み合わせてダイニングのTVのスピーカーになっています。

音楽をがっつり聴きたい時はELACのDBR62で聴いていて非常に満足しているのですが、何か作業をしながらだと、目の前で音が鳴っているのは煩わしいことも少なくありません。そんな時このTD307MK3はBGMとして流すのにちょうどよく、部屋の上側に設置したこともあっていい感じで部屋に音が降ってくる感じがします。

まとめ

まずやはり見た目が良いです。いったいどんな音がするんだろうと考えてしまうスピーカーを実際に持っているという所有感を満たしてくれます。そして実際の音もこの大きさでありながら十分です。どうしても低音が欲しければ別のスピーカーを選ぶべきで、その場合はエンクロージャーは箱形でもっと大きいものになるでしょう。独特のデザインかつこのサイズで良いスピーカーという選択はありだと思います。

おすすめ!

小型で他にないデザインで良い音のスピーカーが欲しい方に。
余計なものがないシンプルな部屋に置いてあったりすると凄く似合います。