デキる猫は今日も憂鬱【漫画レビュー】

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「一人暮らしでペットを飼うと結婚できない」とは良く言われます。でもこの漫画では別の意味でした。朝晩のごはんにお弁当からおつまみまで。掃除や洗濯もパーフェクト。そんな完璧な同居人がいたらもう結婚しているようなものじゃないですか。その猫と。

書籍情報

漫画:山田ヒツジ
出版:講談社
ジャンル:猫、日常、癒やし
既刊:8巻
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主要登場人物/猫 

福澤 幸未 ダメ人間、元汚部屋の住人、社畜、女子力・・・?
諭吉    出来る猫、包容力と家事力の化身

レビュー&感想

3年前の大雪の日に幸未に拾われ諭吉と名付けられた弱った仔猫は、とても立派に育ちました。表紙の幸未と諭吉の対比はデフォルメではありませんので、猫と言うよりもはや熊ですね。

なぜ猫なのにこんなに大きく、かつ高スキルで家事が出来てしまうのか、それは生きていくための選択からと彼がそう願ったからとしか言えません。エプロンつけて世話焼きする猫がいて、さらに大きければモフモフでもっと可愛いじゃないですか。理由なんてそれで十分です。

これで言葉まで話してしまうと興ざめなのですが、諭吉は人語は理解するものの言葉は発しません。舌打ちはできるみたいですがw 言葉を話さないが故に表情や仕草で感情豊かな表現が出来ていて、漫画としても上手いなと思います。

明確なストーリーがあるのではない日常系の漫画で、どの話でも幸未のダメっぷりと諭吉の世話焼き具合がとてもいい感じで心地よくて癒やされます。社畜を支える内助の功です。大家が言うとおり帰る場所があるってぇのはいいもんです。

でも幸未はどうやら空手や合気道の経験があるらしく腕っ節は強かったりします。女性をストーカーから助けたり、お酒にも強くて会社の飲み会で役員からのアルハラを防いだり、あれっ実は外では凄いイケメン? 女子力さえも、どなたかのおかげでしっかりあることに誤解されていますし。この内と外とのギャップに悩む幸未がまた面白いわけですが。

3巻の社員旅行の話では、離れている中でお互いの大切さが確認できて心温まります。まさに「うちの猫が可愛すぎてつらい」です。4巻の肉球のにおいを嗅ぎながら言う「人類が携帯すべきはスマホじゃ無くて猫なんじゃない?」も名言ですね。

5巻ではちょっと長めに年末年始に帰省するエピソードが描かれ、幸未のトラウマにも触れられます。ダメ人間にも歴史ありでしょうか。さらに諭吉のことをついにバラしてしまうところ、おそらくここは恋愛系の漫画であれば結婚前に帰省して両親にドキドキで紹介するとか辺りがモチーフだなと思われます。これも漫画の世界観の中で上手く昇華させてますね。

猫好きのための良質ファンタジー、それがこの漫画です。

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疲れた日々にイケメンな猫が嫁に来てくれたらと願ってしまう方に
大きな猫に癒やされたい人には、これ一択!

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