片や成績優秀で性的な事柄の情報に飢えていた女子高生、片や実家がアダルトグッズショップなおかげで耳年増な同級生の男子の二人が織り成すコメディ作品です。下ネタは沢山出てきますが、実際にエッチな方面の描写には全く行かないので安心(?)してください。卑猥な会話をしながらもピュアで初々しい関係の二人が眩しいですよ。
レビュー&感想
ある日の放課後、いきなり男性器の形について花園君に質問する数(かぞえ)さん。でも性的と言うよりは学術的に興味があるかのような態度です。
その真摯な姿勢に負けて服を脱いでパンツの中をちらっと見せてしまいますが、そこから二人の不可解な関係が始まります。
花園君は実家がアダルトグッズショップで、身近に性の知識が転がっているのが当然だったため、逆に年相応の興奮を感じなくなってしまっていました。けして経験が豊富な訳ではなく、自分は童貞だと何度も主張しています。
しかも実家の状況は学校の友人達に知られているため、男子からは「先生」扱いですが、教師や女子には偏見の目で見られ、かつ避けられていることも諦めて受け入れてもいます。
でも数さんの方も、品行方正な優等生のイメージがあるがゆえに、友達とはそんな話をすることが出来ず、花園君になら問うても大丈夫だろうと考えての冒頭の行動でした。
自分が持たれているイメージの悪さについて諦めている花園君としては、一緒にいることで数さんに迷惑がかからないように距離を取ろうともしますが、結局は彼女の好奇心を刺激してしまった責任があるとして様々な疑問に答えてあげることにします。
とはいえ数さんの探究心は中々手強く、どんどんエスカレートしていきます。女子高生がそんな言葉を言っちゃいけませんとか、そんなことをしてはいけませんとか、ツッコミ所は満載ですが、数さんの行動の原動力はあくまでも知的好奇心という感じに描かれているので結果としてコメディになります。
このように漫画の中で色々と考えて行動しているのは女の子の側なのですが、そのネタが思春期の男の子だったら当然そう考えてそうやるだろうなというものが多いので、たいへん懐かしくも楽しいですw
こんな風に思春期の女の子達の性への興味を面白おかしく扱った作品としては『荒ぶる季節の乙女どもよ。』も面白いのでおすすめです。
2巻の終わりには新しく大槻さんという女の子が登場します。性的な知識は普通以上にあるようですね。でも二人の仲をかき回すのではなく、どちらかと言うとすれ違ってしまった二人をアシストする方向で活躍してくれます。
あとはアダルトグッズショップを経営する花園君のお母さんやお父さんの考え方と、その発する言葉が適切で良いですね。親視点でもなるほどと思いました。
最後のおまけ漫画ではその後の二人に軽く触れられていまして、半年経っても「まだ」でしたが、浴衣でデートをしたいとか、数さんの理想を求められているのは良かったですね。
興味津々だった思春期のあの頃の甘酸っぱくも恥ずかしい感情を懐かしく思う方に。
既刊
全3巻です。