悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました【漫画レビュー】

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悪役令嬢として皇太子に婚約破棄をされたその夜に、魔物が彷徨う森の廃城にいる美形の魔王を訪ねて結婚を申し込むというなんともはやな出だしで始まります。初対面で別に好きでも無い相手をいきなり口説こうという令嬢は凄いですが、アイリーンにとっては自分の命がかかっているがゆえの避けられない行動でした。

書籍情報

漫画:柚アンコ(キャラ原案:紫真衣)
原作:永瀬さらさ
出版:KADOKAWA コミックエース漫画:
ジャンル:ゲーム内転生
既刊:全4巻
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主要登場人物 

アイリーン 行動力が信条の悪役令嬢、17歳
クロード  魔王、皇位継承権を返上した元皇太子、25歳

レビュー&感想

別にレビューをしている『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』と同じ原作者&漫画家の方の組み合わせでのコミカライズ作品で、こちらの方が先に出版されたものです。キャラの言動のコミカルなノリが同じ感じで楽しいです。

アイリーンは婚約破棄をされたショックで、プレイしていた「聖と魔と乙女のガレリア」というゲーム内の世界であることに気づきます。

ゲームエンドまで3ヶ月。ラスボスとして魔王が覚醒するのを止めないと、プレイ時の記憶からすれば自分は雑な死に方しかしないのです。

覚醒を止めるためにはヒロインの愛の力が必要ですが、今回そのヒロインは皇太子のそばで自分を見下ろしていて役立たずでした。

それなら自分の愛の力で止めるしか無いと思い込んでの魔王の居城への乗り込みますが、さすがに魔王の側に呆れられて、一度は魔法で公爵家に戻されてしまいます。

でもそこで折れないのはさすがです。魔物を人質に取るという人間としてあり得ない卑怯な手で再び魔王に迫るアイリーン。直情型の令嬢の行動力に魔王は頭を抱えるしかありません。

でもちょっとしたトラブル解決に手を貸したことで、魔物と人間の共存を望む魔王の譲歩を少しだけ引き出すことに成功します。

そこから進めていた事業の協力者がぞろぞろと出てきて連携するなどして魔王との関係を強くしていくのですが、この辺り、後の方でのヒロインの正体とか含め、少々説明が足りずに唐突な感じがしないでもありません。原作そもそもなのか、コミカライズ時に省略してしまったのかは不明です。

また全体的に話はよく練られているのですが、その分だけ構成がやや複雑になっており2、3度読み直してから理解できた話の繋がりもありましたね。分かってしまえば、なるほどそうかになっているのですが。

最後のエピソードでは、覚醒することを愛の力によって止める方法よりも、そもそもの魔王の覚醒が発動する条件をついに思い出して、そこに先手を打つように行動しますが、なんと魔王との関係を深めていたことが仇になってしまい、一転ピンチに、…

最後はもちろんハッピーエンドになるので安心してください。飼ったのだか飼われたのだか微妙ですが、事態が解決してからの回想シーンでクロードが言う「そうか では皇帝となろう」はいい台詞ですよ!

おすすめ!

困難をバキバキに踏みつぶして進む行動力のある女性が好きな方に。

最新刊

全3巻で完結ですが、4巻目としてサイドストーリー集が出ました。ただ100ページちょっとしかないので短いです。

アイリーンとアイザックの出逢いは良かったけど、他のキャラクター達ももう少し掘り下げがあると良かったですね。Happily Ever Afterでの兄達との対決は、ちょっとネタ切れ感がありましたけど、最後のお母様の関門からの正式なプロポーズはイイですよ。SNS再録集のメイドさん達とかも、もう少し出番があると面白そうでした。

同時期に発売された2022年10月の新刊はこちら

参照作品

やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中 (Amazon)