最近、よく行く場所(大きい建物内)でスマホの電波の入りが悪いこともあって、ものは試しにとキャリアを追加していたら、ついに4キャリアになってしまい、スマホのテザリングと分けるために数年ぶりにモバイルルータを導入しました。
導入のきっかけ
主回線としては、Y!mobileを利用しています。これで基本的には困っていなかったのですが、やや室内で弱くなる傾向があり、鉄筋コンクリートの建物内などでは、入らなくなることが時々ありました。このため安いサブ回線として、IIJmioのdocomo回線でのデータ専用eSIMをサブ回線として使っていました。さすがdocomo回線はSoftBank回線よりは入ることが多かったです。
その後、楽天の株主優待で楽天モバイルの30GB/1年無料のeSIMを手に入れて、IIJmioと楽天モバイルとでサブ回線を切り替えて使っていました。しかし冒頭で述べたある特定の場所では、3回線共に、どうにも電波の入りが悪い。そしてネットで色々調べたところ、その場所ではauの基地局が一番近くにありそうなことが分かりました。なので好奇心もあって、ついに4キャリア目としてau回線のmineoに手を出すことになります。
で、そのmineoもeSIMとして申し込み、早くも翌日には回線開通のメールが届き、さあ、いざ設定しようとしたときでした。設定手順を読んでいくと、au回線ではIIJmioや楽天モバイルでは不要だったAPN設定が必須であることと、iPhoneでは、そのAPNの複数設定が出来ないことが書かれており、呆然とすることになります。
選択肢としては二つ。一つは、mineoを即解約してこれ以上の出費を抑える。もう一つは、mineoのeSIM回線が使える機器を手に入れる。悩みましたが、せめてau回線だとあの3キャリアが駄目な特定の場所で行けるのか試したいという気持ちが上回ります。しばし悩んだあげく、ちょうどAmazonのセール中だったことが災いして、本機をポチッとしてしまいました。
製品の特徴
本機種の最大の特徴としては、選択の基準にもなった5GおよびeSIM対応ですね。お値段高いですが最新機能を装備ということであれば致し方ありません。
一方で、最大の見込み違いはその大きさです。パッケージを開けた時に思わず「えっ」と声が出ました。想像していたより1.5倍くらい大きかったです。下の写真はもう使っていないiPhone7との比較ですが、たいして変わりません。そして厚みは2倍あります。当然より重いです。

昔使っていたモバイルルータは、NECのAterm MR04LNという機種で、その程度の大きさを想定していたので完全に見込み違いでした。これならAndroidスマホを買っても変わらなかったかも。



実際のサイズは、120 mm × 74mm × 19 mmで、198gもあります。左側には誤操作を防ぐためのロックボタン。右側にはSELECTボタンとENTERボタンがあります。残念ながらタッチパネル液晶では無く、SELECTボタンで上部の5つのアイコンを選択して、ENTERで決定という操作になります。

最上段が電波状況と日付と時刻。その下が機能選択用の5つのアイコンです。アイコンの機能は左から、『設定』『モード切替』『SIM切替』『WiFi接続用QRコード表示』『端末情報表示』です。
アイコンの下はバッテリー残量とWiFiについての表示。その下の二つの扇形の図形は、それぞれ物理SIMとeSIMのデータ通信量の表示です。SIMは物理SIMとeSIMが一つずつの組み合わせで、物理SIMを二つとかeSIMを二つとかは出来ないようです。
データ通信量は、選択したSIMで、月/3日/1日単位での通信量が示されます。これらを基準として通信量の制限がされることも多いので分かり易いですね。特に楽天モバイルの株主優待では、アプリなどで残容量を自分で把握する手段がないので便利です。月や週単位でのクリアとかも設定に応じて自動で行ってくれます。

正面の少し凹んだボタンは電源兼画面表示で、緑と赤のLEDで状態も表示します。
充電口は下側にあってUSB-Cです。ケーブルは付属しますが、充電器は付属しません。クレードルも別売りです。モバイルバッテリーやPCからの充電も想定すれば、これで良いかなと。充電時間は、ちょうどスマホと同じくらいの感じでしょうか。
裏蓋は左下にある隙間から持ち上げて外しますが、薄い上にツメが多くて外すたびに折れそうなのは少し気になります。裏蓋を外すと昔のガラケー用のような四角いバッテリーがドンと入っていて、左上にリセットスイッチ、右上にストラップ用のツメがあります。ストラップは穴を通すタイプではなく、中のツメに引っかけて、裏蓋を締めると抜けなくなる作りです。


バッテリーを外すと、端末識別番号(IMEI)の表示と、デフォルトのSSIDの記載があります。右下にあるのが物理SIMのスロットで、ここにnanoSIMをカチッとなるまで押し込んでセットします。
本機はバッテリーの劣化を防ぐために、バッテリーを抜いてUSBで電源に接続すれば動作するのも売りだそうですが、バッテリーもAmazonでみたら数千円程度で手に入りそうで、しかも自分で交換できますので、自宅に元々WiFiがなくて据え置き使用がメインという方以外は、あまり気にしなくて良いかなと思います。
使用感

通常の電源OFF状態からは、正面の電源ボタンを1秒長押しすると赤いLEDが点滅してから緑色になって起動します。だいたい10秒程で画面は表示されますが、スマホ側でWiFiを掴む時間まで考慮すると30〜40秒くらいかかる感じです。なお、バッテリーを長持ちさせる完全電源OFFという状態にすると、起動にはもっと時間がかかります。
5G回線が届く範囲に行くと、5Gで繋がっているという表示になります。ここみたいな田舎だとなんちゃって5Gが多い気もしますけど。ただし楽天のサービスエリアで5G Sub6としている場所で試した時は、読み込みが早い気はしましたね。
実際の液晶画面は5 cm × 4 cmくらいなので、かなり小さくて老眼にはキツいですが、長時間見るものでもないので許容でしょう。
必要なバッテリー容量や、データ通信量は緑色になっているので分かり易いです。

バッテリーの持ちについては、長時間での連続使用はあまりしないため、二日に一度も充電すれば十分で、それほど気にしていません。おそらくテザリングしているスマホ程度の減り方になるのでは無いかと。また昨今は、USB-Cで充電できる環境がそこらに意外とあるので、必要なら充電すれば済むような気もします。

画面表示において個人的に問題があるのは、左記のSIM切替の画面です。これってどちらが選択されていると思いますか?
実はこの状態だと、選択されているのは上の物理SIMです。個人の感覚の違いなのかもしれませんが、私はこれだとボタンが明るくなっているeSIM側が選択されていると思ってしまいます。
総じて、本体右側のSELECTボタンとENTERボタンでの操作は、分かり難いし操作しづらいです。とはいえ、実際の画面上のアイコンは数ミリ角しかありません。なので、このような小さな画面でタッチパネルにしても上手くアイコンの選択なんて出来そうにないのですが。
アプリ
ということもあって、本機には専用のアプリ『+F SmartApp』があります。実際の設定はこちらで行うのが普通でしょう。この画面であればSIM切替も、ホーム画面の下側に表示されている扇形のアイコンをクリックするだけの分かりやすいものになっています。



右下のメニューを選ぶと真ん中のようなメニューの一覧が出ます。eSIMの設定は、このメニューの『eSIM設定』でキャリアから示されたQRコードをカメラで読み込むだけで直ぐにできて超簡単です。また『データ通信履歴』からは、右端のような詳細なグラフでデータ通信の使用状況を見ることが出来ます。
据え置きルータのような詳細な設定も可能ですが、何も弄らなくてもそのまま使えますね。私もSSIDとパスワードくらいしか変えていません。とはいえ、アプリのパスワードだけはデフォルトから変えておかないとセキュリティとして不味いので、それはやっておきましょう。ただしパスワードを忘れると端末を初期化するしかなくなり、eSIMの再発行(有料)も必要になってしまいますのでご注意を。

「+F FS050Wの端末設定」 > 「モバイルネットワーク」 > 「データ通信量」で、契約している上限容量を設定すると、先のように扇形が使用した分だけ埋まっていくように表示されます。
選択されていないSIM側のキャリア名が消えてしまうのは、仕様ですかね。
この他にも、データ容量が上限に達した時に通信を停めたりや速度制限をしたり、時間やデータ通信量に応じたSIMの自動切替も設定できるようです。この辺りの契約回線ごとの細かい設定が出来て、しかもビジュアルで分かり易く見えるのはとても良いですね。制限についても実際はキャリア側でかかるのでしょうが、うっかり自動的に容量追加とかされないようにも役立ちます。
なお当然ですが、アプリの利用のためにはスマホのWiFiの接続先として本機を選択している必要があります。自宅のWiFi環境下で設定をしているとややこしいです。
まとめ
5G/eSIM対応のモバイルルータとしては機能的に十分で、アプリの使い勝手も悪くありません。その一方で、セールで購入しても3万ちょっとでしたので値段が高く、本体も大きくて重いというデメリットもあります。
ただし、実際に使ってみると大きさはあまりに気にならなくなりました。というのもスマホ単体で使っている時には、モバイルルータは別に必要ないからですねw モバイルルータが必要な時はPCやらタブレットやら複数の端末を使っていたり、家族で車で出かけていたりとか、持ち運びが苦になる状況では無かったりします。
そうするとスマホのテザリングで良くないかとも思いますが、実際それで十分な方も多いでしょう。なので、そもそもとしてまずはモバイルルータが必要かどうかで判断が分かれたのち、必要なら最新機能のこの機種は悪くない選択ではないかなと思ったりします。回線ごとの容量上限を見ながら使い分けたりと、複数回線で運用している方にはオススメです。