「今のスター・トレックで失われたものがここにある!」そう言いたくなってしまうSFコメディドラマがDisney+で配信されています。第1シーズン第4話は、超巨大な漂流宇宙船とのコンタクトです。宇宙船の中が世界の全てだったというのはスペースオペラの定番ネタですね。
第4話 星が現れるなら ”IF THE STARS SHOULD APPEAR”
前回からの続きでボータスとクライデンが今ひとつ険悪な感じです。喧嘩して1時間も早く仕事に出てしまうボータスに、クライデンはロッキーロードのアイスをやけ食いしながらサウンド・オブ・ミュージックを見始めます。
オーヴィルは退屈な仕事の定番である星図の作成作業中でした。ブリッジにやって来たボータスは不満たらたら。そんな中でアイザックが巨大な構造物を見つけます。ここで40万km先とか言ってますが、月と地球の間の距離くらいですね。
宇宙に浮かぶ巨大な構造物。私にはどうみても鋼鉄ジーグの頭にしか見えないのですがw あるいは宇宙戦艦ヤマトの艦橋トップにある艦長室あたりでしょうか。ここでオープニングです。
スキャンして現在はエンジンが故障して漂流していること、そして2000年前に作られたらしいということは分かりました。艦長のエド、副長のケリー、アイザック、アララ、ドクターが乗り込みます。
大きさは横断面が790平方キロで、ニューヨーク市くらいの大きさと言ってます。正方形に換算すると28km四方。ちなみに東京23区は628平方キロだそうですので、一回りほど大きい感じですかね。
強引にドッキングポートに接続しますが、入り口と形と大きさが合わないのはちゃんと考えられているもののヒューマノイドの大きさというのはスター・トレック世界からのお約束です。
入ってみれば空だけがちょっと変な普通の土地が広がってしました。内部に入ったのでセンサーが使えるようになって数百万の生命体がいることが確認されました。しかし中ではオーヴィルとの通信が出来ません。
とりあえず、エドとドクターとアイザック、そしてケリーとアララのペアに別れて捜索を開始しますが、歩きながらアイザックは副長の浮気の理由について艦長に問います。感情が無いキャラに無神経なことを言わせるだけではなく下品なことまで言わせてしまうのがこの作品ですよ。
そして見た目は地球人と変わらない普通のヒューマノイドと接触しますが、アイザックの姿で妻らしき女性に驚かれ、夫らしき男性には銃を向けられます! なんとか冷静なアイザックが相手を麻痺させて切り抜けました。
トムリンと呼ばれる少年も一人出てきますが、話してみると彼らはどうやらここが宇宙船の中だということを知らないようです。ドラールの言葉を守るという表現が出てきました。ふと気づくと、ファーストコンタクトなのに普通に会話をしているので、説明はありませんがユニバーサルトランスレータがある前提ですね。
少年がエド達に彼方(Beyond)から来たのかと質問を返すと、母親は冒涜的な言葉を使うなと叱ります。何かの宗教的な忌避ワードでしょうか。彼は艦長達を外に連れ出しました。
一方の副長とアララ、アララの元彼の話とかケリーとエドの離婚の理由などをしながら歩いていると装甲車みたいな車がやって来ます。降りてきた武装した男二人に身分証を見せろと詰問され、近づこうとしたアララはいきなり撃たれて坂を転げ落ち、ケリーは銃で殴られて気絶させられてしまいました。
さて、シーンはまたエド達一行に移り、歩きながらトムリンはドラールは創造主だと説明しています。そして改革派と自称するある集団のたまり場に3人を連れて行き、集団を驚かせます。
今度はボータス指揮下のオーヴィルのブリッジのシーン。いつもの二人が無駄話をしているところでUSSドルーヤンから救難信号(priority one distress callと言ってますね)を受信。クリルに襲われていると。オーヴィルは通信のためのブイだけを残して、救助に向かいます。
外の世界を信じる改革派のリーダらしき初老の男性とエド達が会話しているところで、撃たれて血だらけのアララから通信が入ります。おぼろげな記憶ですが、直接的な血の表現はスター・トレックでは避けられていた気もしますね。
一方で連れ去られたケリー。群衆の前で異端者を裁く宗教裁判のようなシーンに出くわします。そして弾圧側のリーダであるハメラックの前に連れて行かれました。
瀕死のアララの元に駆け付け、ドクターがアララの治療を行います。トラクタービームのようなもので弾を三発引っこ抜いて傷口に光を当ててプラズマ再生を促進とかでアララが気がつくのですが、そもそも出血は大丈夫なんですかね。地球人なら死んでいるとは言われていましたが。
ケリーを救出に行くためににアイザックが通信のためにシャトルに戻って救援を呼ぼうとしますが、先ほどオーヴィルはUSSドルーヤンの救援に行ってしまっています。
そのオーヴィルは救難信号の元に駆け付けクリル艦と戦闘に入ります。お互いにダメージを受けますが、ラマーが攻撃を集中すれば勝てると主張し、ボータスが任せ、すれ違いざまに攻撃してクリルの艦は爆散して勝つのですが、当たる箇所がバラバラでちっとも攻撃を集中してなかったですよ。とはいえピンチでラマーの進言を受け入れたボータスは良い指揮官ですね。
しかしオーヴィル側の被害もあり、修理に1時間かかると。これで救援なしでケリーを救うための理由作りが行われました。確かに上陸チームに軌道で待機中の艦から人を呼べばいいのでは?という間抜けなピンチはよくありますよね。
ケリーは椅子に縛り付けられて暴行を受けて髪は乱れて口からは血が出ています。それでも仲間の行方を問うハメラックに何度も減らず口で返します。この人は強い女役が合いますよね。
救出側のシーンになり、警備員に知り合いのように明るく話しかけるエド。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのピーターやり方のようですね。ハグするフリして近づきスタンモードの銃で撃って気絶させます。かっこいいじゃ無いですか。
ケリーにはついに自白剤まで使われ声を上げて苦しみます。完全に拷問なのでスター・トレックだと避けそうな演出かなぁ。
ケリーの叫び声で監禁されている場所が分かり、アララがドアをぶち壊して突入! あっという間に兵士を倒して敵はハメラックだけに。ドクターが落ちた解毒薬を拾い上げてケリーにいきなりうちますが、そんな旧式の注射器を躊躇無く使えるんですかね。しかも首に。
権力の維持のために真実を隠そうとするハメラックを銃で気絶させ、一行は改革派の案内で隠された扉に向かいます。もちろんアイザックがいとも簡単に開けてしまい、エレベータで上へ。ターボリフトに乗っている間の皆が正面を向いての妙な間は元作品でもよくあるいつものカットです。
着いた先はブリッジでした。アイザックが船の最後の記録映像を呼び出すと、崇められていたドラールとはこの船の艦長でした。彼が言うには、この船は三世代をかける予定の移民船でしたが、エンジンが故障して漂流してしまったと。そして世界は閉ざされて2000年の時を経ていたのでした。
アイザックは、エンジンの故障は24時間で修理出来るとあっさり言い、エドは君たちに船の動かし方を教えようと言って彼らに新しい未来を与えます。
そしてオーヴィルは巨大な船をなめるように飛んでから離れて行くカットでエンドクレジットです。
スペースオペラとしてはありがちな設定のストーリーで特にひねりも無かったですが、意図せず囚われた人達を助けて未来を与えるというテーマは定番ですね。