氷室くんは雪女の末裔なので緊張するとフリーズする、ってホンマに凍っとるやん。駄洒落か!って設定は置いといて、毎回毎回、冬月さんを好きな氷室くんが彼女の魅力にやられて周辺を吹雪にしてしまうのを見て楽しむラブコメです。クールな冬月さんは意外と無自覚にかわいい仕草を見せてみたりイケメンぶりを発揮したりしてくれますので、それを見た氷室くんがハートを撃ち抜かれて雪女の末裔の能力が暴走してしまうと。ちなみに嬉しい時には雪だるまが出ます。
レビュー&感想
SNSから始まった漫画のようなので各話短めですが、変な駆け引きもなくちょうどイイです。思わず手が触れたり、相合い傘したり、クリスマスやバレンタインデーにプレゼントしたりと、まだ付き合ってもいない二人がド定番なシチュエーションで頬を赤らめるのですが、もちろんそこが良いんです。
「恋したことがない」とか言ったそばから、氷室くんから来た何でも無いメッセージを読んで微笑む冬月さんを見ていればもうなんかほっこりですよ。ごちそうさまですとお礼を言いたくなります。
氷室くんの側でも、残業だろうと交通トラブルだろうと、それで好きな人と一緒にいられる時間が作られるのであれば、やっぱり何かに感謝したくなりますよね。そこに幸せを感じる彼の気持ちについて、こういう時こそわかりみがすごいと言ったりするのでしょうか。
そんな感じのピュアな恋愛における小さな幸せを一つ一つ見つけていくような漫画なので、少し甘い清涼剤と言いますか読んでいて気分がぐっと良くなりますね。二人を見ているとほんと癒やされます。主要な女性キャラの冬月さんと狐森さんが猫目気味なのもポイント高いです。
妖怪の末裔の設定が氷室くんだけかと思ったら、その後に狐森さんもそうだと明かされたり、フェニックスの末裔とかぬらりひょんの末裔とか、よーわからんキャラ達も出てきて賑やかです。と言っても『亜人ちゃんは語りたい』ほど異種族の属性を深く追求したりはしていないですね。とっても軽い感じで社会に溶け込んでおられます。
サブキャラの妖狐の末裔の狐森さんと普通の人間の冴島くんの組み合わせもお気に入りです。こちらはドキドキさせられるのは狐森さんの側ですが、そりゃあモフモフの尻尾に顔を埋められたら最高ですよね。主人公の二人ではないサブキャラのカップルの方がより早く進展して、主人公達をちょっと周りから後押しするような雰囲気を作るという構成はラブコメ界の王道ですが、一作品で二度美味しいみたいでこれも良いものです。
二人があからさまにくっつく感じではないままイイ距離にいるのは、社会人というよりは学生の恋愛のようではありますが、これはこれで良いんじゃないかなと思える、ベタ甘ではないほどよい甘さの良い味付けの漫画としておすすめです。
恋バナをおかずにご飯が食べられますという方に。
クールで猫好きな女性キャラに目がないという方にも。
最新刊
最新刊の7巻で、ついに冴島くんと狐森さんおめでとう!です。狐森さんのとてもイイ表情が連発で、既にある程度は近い距離感の仲にいる主人公達が今更くっつくのよりドキドキ感があってよいです。早速嫉妬もしてみせるところもクールな冬月さんと対照的に設定されている狐森さんだからこその尊さでした。
とはいえ冬月さんも無自覚で氷室くんを挑発(?)しまくりで、でも相手の反応にちょっと自覚も出たりで、次巻には期待大ですね。
同時期に発売された2022年12月の新刊はこちら